2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15255015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岡田 直紀 京都大学, 農学研究科, 助教授 (40335302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 兼弘 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (20324684)
藤田 稔 京都大学, 農学研究科, 教授 (60026599)
野渕 正 京都大学, 農学研究科, 教授 (50026499)
安部 久 国際農林水産業研究センター, 林業部, 主任研究官 (80343812)
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Keywords | タイ熱帯季節林 / フタバガキ科 / 水ポテンシャル / 道管径 / キナバル山 / 低地フタバガキ林 / 熱帯山地林 / 最大樹高 |
Research Abstract |
研究期間の初年度にあたる本年は,タイ熱帯季節林とボルネオ島キナバル山に調査地を設定し,樹木生理の調査と毎木調査を開始した.それとともに木部試料を採取して材の画像解析により道管の計量を行った. タイでは水分の環境傾度にそって水辺林,乾燥常緑林,乾燥落葉林からフタバガキ科の10樹種をえらび,水ポテンシャルを測定した.乾季の終わりにあたる3月の測定では,乾燥常緑林の樹種よりも乾燥落葉林(より乾燥が厳しい)の樹種の方が,予想に反して水ポテンシャルが高かった.木部道管の画像解析の結果では,水辺林から乾燥落葉林へと乾燥度合いが高まるにつれて,直径100μ以下の小道管の割合が顕著に増加した.これらの結果は,乾燥落葉林に生育するフタバガキ科樹種が乾燥に対する適応的な性質を獲得していることを示唆している.その意味を明らかにすることが次年度以降の課題となる. ボルネオ島キナバル山では現地視察を経て,本研究で材の解剖を行う供試樹種の決定,および樹高,胸高直径などを計測した.毎木調査を行った樹種について材の含水率を測定するとともに,光学顕微鏡・画像解析によって木部道管の面積を計測した。毎木調査は2サイトで行い,標高800mの低地フタバガキ林で12種144個体,標高1700mの熱帯山地林で14種477個体の樹高と胸高直径のデータを得た.これから相対成長計算式により樹種ごとの最大樹高を推定した.高木種,低木種の道管径の特徴については解析中である.今後も同所的な生育場所の様々な供試樹種の木部構造解析を継続し,最大樹高との関係を明らかにしていく.
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