2004 Fiscal Year Annual Research Report
赤道アフリカ農村におけるモラル・エコノミーの特質と変容に関する比較研究
Project/Area Number |
15255018
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
杉村 和彦 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (40211982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 義仁 名古屋大学, 文学研究科, 教授 (20170954)
末原 達郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (00179102)
池上 甲一 近畿大学, 農学部, 教授 (90176082)
池谷 和信 国立民族学博物館, 助教授 (10211723)
鶴田 格 近畿大学, 農学部, 講師 (60340767)
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Keywords | 赤道アフリカ / モラル・エコノミー / 情の経済 / 制度 / 慣習 / 比較研究 / オルタナティブ・トレード / 内発的発展 |
Research Abstract |
第2年度の主要な研究成果は以下の4点に要約することができる。 1.昨年来の研究の第一次的とりまとめの場として、タンザニア・ソコイネ農業大学に海外共同研究者のハイデン、デボラ、ルタトーラ教授を招き、日本側、タンザニア研究者総勢25名で、アフリカ・モラル・エコノミーを地域比較の視点から検討する国際シンポジウムを行い、ハイデンの提唱してきた「情の経済」的特性再確認するとともにその現代化をより詳細に検討していく必要性を今後の研究方向として共有した。 2.アフリカ農民のモラル・エコノミーの地域的特性を東南アジア農村と比較するために杉村・津村・末原はインドネシア・ベトナム・タイの農村をサーベイし、スコットなどのモラル・エコノミー論の背景となる歴史文化的地域特性を検討し、サーリンズの互酬性の類型との関連で、東南アジア農村に均衡的互酬性が卓越するのに対して、アフリカ農村に一般的互酬性が優位にみられることを明らかにした。 3.アフリカ農民の平等主義的倫理の特性を、これまでの狩猟・採集民研究、牧畜民研究との比較に加えて漁労社会との比較を行うために、タンザニアの海岸部において鶴田と研究協力者の中村が漁民のモラルエコノミーを研究した。 4.地域社会の動態、グローバルな経済の中での現象の中に内在化されたモラル・エコノミーのあり方を、1)内発的発展、2)オルタナティブ・トレードという現象に関して検討した。内発的発展に関しては阪本と杉村がタンザニア農村を事例として、社会的再生産の領域に強く働くモラル・エコノミーのあり方を明らかにした。一方オルタナティブ・トレードに関しては、ラベル派と提携派の背後にあるモラリティの差異がサーリンズの互酬性論との関係で明示化された。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article]2004
Author(s)
Kazuhiko SUGIMURA
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Journal Title
Jounal of Fukui Prefectural University No.25
Pages: 41-65
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