2003 Fiscal Year Annual Research Report
中国青海省東チベット高原放牧ヤクの行動が生態系物質循環に及ぼす影響
Project/Area Number |
15255020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
長谷川 信美 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50281217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井戸田 幸子 宮崎大学, 農学部, 助手 (40325733)
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
園田 立信 宮崎大学, 農学部, 教授 (00040866)
樋口 広芳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10111486)
福田 明 静岡大学, 工学部, 教授 (10022237)
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Keywords | ヤク / 放牧 / 行動 / 植生 / 物質循環 / 中国東チベット高原 |
Research Abstract |
中国青海省の夏季は2003年8月に玉樹州結古鎮(標高4100m)、冬季は2004年1月に門源回族自治県(標高3100m)の放牧地で、ヤクの行動観察および植生調査を行った。 夏季にはヤク3頭の24時間行動観察を4日間連続で行った。平均で、採食時間割合は31.5±3.2%/日、反芻時間割合は31.7±2.3%/日、休息時間割合は24.4±3.1%/日、反芻/採食比は1.02±0.14であった。3日間平均の反芻bout1回当たり(吐き戻しから嚥下まで)の時間は55.2±17.1秒、反芻1回当たり咀嚼数は57.2±15.6回、反芻時咀嚼1回当たり時間は0.97±0.16秒であった。また、排糞回数は8.0±1.7回/頭/日、排尿回数は9.5±2.7回/頭/日であった。 コドラート法による植生調査では17科41種および科不明5種・植物名不明2種を記録した。放牧地(平地)で9科22種科不明1、放牧地(山の斜面)16科38種科不明5、禁放牧地10科19種科不明1であった。植物現存量(Fresh matter)は放牧地(平地)154.4g/m^2、放牧地(山の斜面)900.3g/m^2および禁放牧地278.0g/m^2であった。 冬季にはヤク3頭の24時間行動観察を3日間連続で行った。平均で、採食時間割合は25.4±0.8%/日、反芻時間割合は25.2±5.2%/日、休息時間割合は35.0±4.8%/日、反芻/採食比は0.99±0.21で、採食および反芻時間が短かった。3日間平均の反芻bout1回当たり(吐き戻しから嚥下まで)の時間は69.3±13.0秒、反芻1回当たり咀嚼数は75.8±11.2回、反芻時咀嚼1回当たり時間は0.91±0.12秒であった。また、排糞回数は7.3±2.1回/頭/日、排尿回数は少なく2.0±1.2回/頭/日であった。
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