2003 Fiscal Year Annual Research Report
モバイルネットワークにおけるディペンダブル分散ソフトウェア設計法に関する研究
Project/Area Number |
15300017
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増澤 利光 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50199692)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大下 福仁 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (20362650)
桝田 秀夫 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助手 (90304063)
齊藤 明紀 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (20235021)
|
Keywords | 分散システム / モバイルネットワーク / モバイル計算機 / ディベンダビリティ / 故障耐性 / 自己安定 / 適応性 / モバイルエージェント |
Research Abstract |
モバイルネットワークにおけるディベンダブル分散ソフトウェアの設計開発法の確立を目指し,分散したデータをいかに管理するか(分散データ管理)と,多数のプロセスをいかに制御するか(分散制御)の両方の観点から,ディペンダビリティを確立する手法について検討した. (a)ディペンダブル共有オブジェクトの実現:ディペンダブル分散データ管理のための基盤技術として,共有オブジェクトのディペンダビリティを実現するために自己安定の手法の共有オブジェクトの適用を試みた.具体的には,ヒープなどの基本的共有オブジェクトについて,自己安定化の手法を提案した. (b)ディペンダブル分散制御の実現:モバイルネットワークでは,プロセスの参加・離脱やネットワーク接続状態の変化などのために,ディペンダブル分散システムを設計することが困難である.そこで,このような動的分散環境における分散ソフトウェアの基盤技術として,コーザルブロードキャストの実現法を提案した.また,ネットワーク環境の動的変化によって生じる予期せぬ通信遅延の増大をタイミング故障としてモデル化し,タイミング故障に対する耐性を有する分散ソフトウェアの基盤技術の提案を行った.また,分散制御に関するいくつかの基本的な問題に対し,ディペンダビリティを実現する自己安定プロトコルの提案を行った.さらに,モバイル分散環境でのディペンダブル分散ソフトウェアの実証実験の試みも行った.
|
Research Products
(13 results)
-
[Publications] Yoshihiro Nakaminami: "A method for evaluating efficiency of protocols on the asynchronous shared-state model"Proceedings of the 6th International Symposium on Self-Stabilizing Systems. 141-153 (2003)
-
[Publications] Hideo Masuda: "Secure wireless LAN service at a COOP cafeteria"Proceedings of Rim Conference on Communications, Computers and Signal Processing. 704-707 (2003)
-
[Publications] 太田 範: "個人所有の計算機を想定した計算機環境でのモバイルエージェントを用いた教育支援システム"FIT(情報科学技術フォーラム)2003情報技術レターズ. 385-386 (2003)
-
[Publications] Taisuke Izumi: "Ant-based approach to mobile agent traversal"Proceedings of the 1st International Workshop on Biologically Inspired Approaches to Advanced Information Technology. 462-475 (2004)
-
[Publications] Taisuke Izumi: "Timed uniform consensus resilient to crash and timing faults"Proceedings of the International Conference on Dependable Systems and Networks. (採録決定).
-
[Publications] 太田 範: "エージェントを用いた教育支援システムの運用"2003年PCカンファレンス予稿集. 293-294 (2003)
-
[Publications] 泉 泰介: "多重タイミング故障に対して耐性を有する時限アトミックブロードキャスト"情報処理学会アルゴリズム研究会資料. AL91-6. (2003)
-
[Publications] Fukuhito Ooshita: "Efficient gather operation in heterogeneous parallel computing environments with divisible data"電子情報通信学会技術研究報告. COMP2003-57. (2003)
-
[Publications] 野口 智史: "通信遅延を考慮したタスクスケジューリングアルゴリズム"情報処理学会数理モデル化と問題解決研究会. 2003-MPS-47. (2003)
-
[Publications] 野田 佳邦: "プロセスの出現・消滅に対応したコーザルブロードキャスト"情報処理学会アルゴリズム研究会資料. AL93-6. (2004)
-
[Publications] 櫻井 佑輔: "木ネットワークにおけるビザンチン故障耐性を有する自己安定辺彩色プロトコル"電子情報通信学会技術研究報告. (発表予定).
-
[Publications] 浅越 悟史: "操作を並行実行可能な自己安定共有ヒープ"電子情報通信学会技術研究報告. (発表予定).
-
[Publications] Taisuke Izumi: "Timed uniform consensus protocol tolerating crash and timing faults"電子情報通信学会技術研究報告. (発表予定).