2006 Fiscal Year Annual Research Report
大規模な仮想空間システムを構築する放送型サイバースペース関する研究
Project/Area Number |
15300033
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小川 剛史 大阪大学, サイバーメディアセンター, 助手 (60324860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚本 昌彦 神戸大学, 工学部, 教授 (60273588)
寺田 努 大阪大学, サイバーメディアセンター, 講師 (70324861)
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Keywords | 仮想空間 / 放送型システム / スケジューリング / アバタ / キャッシング |
Research Abstract |
本研究では、データ放送による情報システムを基盤とした仮想空間システムを構築することを目的とし、平成17年度は仮想空間において頻繁に更新されるデータを配信するためのスケジューリング手法に関する研究を中心に行った。前年度では、三人称視点による表示やバードビューにより、アバタの周囲の空間だけでなく広範囲の空間を観察できるような環境を想定し、仮想空間をあらかじめ複数の部分空間に分割して、部分空間ごとのデータをひとつにまとめてデータアイテムを作成し放送するためのスケジューリング手法を検討してきた。本年度では、ウォークスルーなどの一人称視点のアプリケーションにおいて仮想空間を表示することを想定し、アバタの視野範囲に含まれる空間に存在するオブジェクトの配信スケジュールについて検討した。具体的には、空間内に存在するユーザ(アバタ)群の視野と、ユーザ(アバタ)とオブジェクトの距離に着目して、放送するオブジェクトを決定する。また、注目されるオブジェクトにも、高速で移動するオブジェクトと低速で移動するオブジェクトを比較した場合に、同じ頻度でデータを更新していると、前者の場合、前回取得したデータとの差分が大きく、クライアント端末に表示される仮想空間に不整合が生じる可能性がある。そこで、提案手法では、上記のアバタ群の視野およびアバタとの距離に加えて、各オブジェクトに定義される要求更新頻度を考慮して、最終的に放送すべきオブジェクトを決定する。 提案手法を用いることで、仮想空間内で多くのユーザが注目しているオブジェクトと、クライアントで大きく表示されると考えられる、ユーザの近くに存在するオブジェクトの更新データが頻繁に放送され、システム全体としてのパフォーマンスが向上する。考案した手法のシミュレーションによる評価を行い、その有効性を検証した。
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Research Products
(8 results)