2005 Fiscal Year Annual Research Report
大規模対話コーパスを用いたロバストな音声対話処理技術の開発
Project/Area Number |
15300045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
河口 信夫 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 助教授 (10273286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松原 茂樹 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 助教授 (20303589)
山口 由紀子 名古屋大学, 情報連携基盤センター, 助手 (90239921)
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Keywords | 音声言語 / 対話システム / コーパス / 話し言葉 / 対話理解 / 対話生成 / 対話翻訳 / 音声認識 |
Research Abstract |
本研究では、ユーザフレンドリな音声対話システムの実現を目指し、人間による対話事例を活用する新たな対話処理方式の開発を目的としている。本方式は、ルールに基づく従来の対話処理の枠組みと異なり、発話理解や発話生成、対話計画など、対話の遂行に必要な処理のほとんどを実データ駆動で実行し、ユーザの発声に対して,それに類似した対話事例を検索し,データの内容に基づいてシステムの動作を決定する。最終年度は、実環境下で動作可能なシステムを開発し、評価実験を通して本方式の優位性を示すとともに、ユビキタス音声対話システムやクロスリンガル音声対話システムへの応用を検討した。具体的には、以下の項目の研究を推進した。 (1)音声対話システムの評価:昨年度までに実装した対話システムを用いて、コーパスを用いた定量評価、及び被験者を使用した総合評価を実施した。定量評価では、車内音声対話コーパスに収録された音声を入力として使用し、それに対する応答音声を実際のコーパスデータと比較した。一方、総合評価では、項目として、処理のロバスト性、タスクの達成度、被験者の快適性などを掲げ、従来のルールに基づく対話方式と比較した上で本システムの評価を与えた。なお、本研究では、事例ベースシステムの開発とシステムを用いた評価をスパイラルな仕組みで実施し,総合評価の実験で獲得した対話データを用いてシステムの性能向上を計り、その一方で、そのシステムを用いて評価実験を行うという過程を繰り返しながら、実用化に向けたシステム開発を段階的に進めた。 (2)コーパスベース音声対話処理の応用:本研究を遂行した経験と評価で得られた知見をもとに、クロスリンガル音声対話システムへの応用可能性を検討した。大規模対訳データに基づく対話翻訳方式を定め、海外旅行をドメインとした対話支援の可能性について検討した。
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Research Products
(6 results)