2004 Fiscal Year Annual Research Report
携帯情報端末を利用した知識駆動型地域医療支援システムの開発
Project/Area Number |
15300047
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
津本 周作 島根大学, 医学部, 教授 (10251555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花田 英輔 島根大学, 医学部, 助教授 (90244095)
平野 章二 島根大学, 医学部, 助手 (60333506)
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Keywords | 診療支援 / 情報通信システム / 地域医療 / 知識ベース・知能システム |
Research Abstract |
本研究では,以下のサブシステムから成るクライアント/サーバ型の知識駆動型地域医療診療支援システムを開発し,地域医療機関との間で運用試験を行い,その有効性を評価検証した。 1.サーバシステム:(a)病院情報システムに蓄積された症例データから診療知識を生成する診療情報生成システム,(b)診療知識に基づき診断候補を推論する推論システム,(c)クライアントシステムからの要求を受け付け,推論結果を返すサーバアプリケーション。 2.クライアントシステム:推論に必要な質問項目の入力,推論結果の表示等を行うためのクライアントアプリケーション。 平成15年度にサーバ機器を島根大学医学部に設置,これまでに開発済みの診療情報生成システム,ルールベース推論システム並びに症例準拠推論システムをサーバ上に実装した。次に,クライアントとの通信を仲介するサーバアプリケーションを開発実装し,PDA(携帯情報端末)およびノート型パソコンによって,サーバとの通信機能を確認した。平成16年度には,これらのシステムの運用試験を計8台のPDA及びクライアントソフトを実装した2台のノート型パソコンにより行った。平成16年度後半には,代表研究者が島根地域医療ネットワークに加入している地域医療機関に出向き,試験運用を試みた。結果として,本システムはPHSをサポートするエリアにおいて,ノート型パソコンを使用することで十分使用に耐えうることが確認できた。しかしながら,PDAでの開発環境およびPHSを用いた通信環境については,以下のような問題点が明らかになった:(1)PDA上での開発環境はインターフェイス構築が主体となっており,知的クライアントソフトを開発する環境は整っていない。そのため,PDA上での運用試験はWebインターフェイスに頼らざるを得なかった。(2)過疎地域においてはPHSがサポートされておらず,他のインターネット環境に頼らざるを得なかった。これらのことから,現状の環境では,PDAによる地域医療連携ネットワークの活用はある程度の制限が必要であることがわかった。これらの成果については,本年度のWeb Intelligenceに関する国際会議にて報告する予定である。
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Research Products
(3 results)