2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300068
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
森田 昌彦 筑波大学, 大学院・システム情報工学研究科, 助教授 (00222349)
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Keywords | 軌道アトラクタ / 選択的不感化 / ニューラルネット / パターンベース推論 |
Research Abstract |
現古典的人工知能の2つの大きな問題であるシンボルグラウンディング問題とフレーム問題は,情報をシンボルによって表現し,それを操作することによって推論などの処理を行おうとする限り避けがたい.このような限界を超えて,人間のような柔軟な知能を実現するカギは,情報を記号ではなくパターンとして表現し,それをパターンのまま処理すること,および特定の文脈で学習した知識をそれ以外の(多くは未知の)文脈でも利用できる汎化の能力だと考えられる.本研究は,このような考えに基づいて,分散表現のみに基づいた文脈横断型推論システムの構築を目的としており,昨年度までは,その基本的な原理モデルについて研究を進めてきた. 本年度は,基本的な推論を行う小規模なシステムを実際に構成し,その能力を検証した.その結果,次のような優れた能力をもつことがわかった. 1.事象を表すパターン間の類似性に基づく類推の能力が高く,未学習の問いに関してもほとんど適切に答えられる. 2.文脈パターン間の類似性に基づく文脈横断的な類推も可能である. 3.一般に,類推を行う際には例外の扱いが難しいが,例外的知識も自然に取り扱うことができ,それによって類推能力が損なわれることはほとんどない. 4.知識を多少追加しても,既学習の知識の再学習は必要ない(追加が多いと必要な場合もある). 5.事象を表すパターンに適当な構造があると,それを利用してより高度な類推が可能である.
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Research Products
(2 results)