2003 Fiscal Year Annual Research Report
顔の多義的・統合的印象を創出する高次元ダイナミックモデルの構築とイメージ処理応用
Project/Area Number |
15300076
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
赤松 茂 法政大学, 工学部, 教授 (50339503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若原 徹 法政大学, 情報科学部, 教授 (40339510)
磯野 勝宣 インテック, ウェブ・アンド・ゲノム・インフォマティクス(株), 技術部・研究員
行場 次朗 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50142899)
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Keywords | 感性情報処理 / 顔の印象 / 主成分分析 / 顔の認識 / 顔面像生成 / セマンティックディファレンシャル法 |
Research Abstract |
静止画像で与えられる顔の特徴から人間に認知される印象を推定する高次元ダイナミックモデルの構築に取り組んだ。まず、顔パターンの形状とテクスチャをベクトルとして抽出する手法を確立し、多様な印象を創出する多数の顔画像サンプルから物理的特徴を表す高次元データを収集した。そして、顔の高次元データ集合に主成分分析を行って得られる固有顔という正規直交基底を座標軸とし、顔パターンの物理レベルでの多様性を表現する低次元のパラメータ空間を求めた。さらにこの高次元データが人種や性差の属性をどの程度反映しているかを定量的に明らかにするために、顔画像による男女認識・本人認証というパターン認識のタスクを評価の枠組みとして、統計的手法による高次元データの分析を行った。 これと並行して顔の印象を規定する主要因子をセマンティックディファレンシャル法を用いて分析し、積極性、力量性、品性、美感性、柔和性、若年性などの因子を抽出した。そして、それらの因子が顔の魅力度や記憶容易性に及ぼす影響について実験的検討を行った。同様の手法を、上記の物理的なパラメータ空間内で各座標軸方向に変位させながら顔の多様性を合成したパターンに適用することで、物理的なパラメータ空間と認知的な印象を規定する因子との定量的な関係を探る実験を展開中である。 また、高次元ダイナミックモデルの工学的な応用として、パラメータ空間上に定義した印象変換ベクトルを用いて、入力顔画像の印象を変換させたイメージを生成するシステムを提案し、その有効性を主観評定実験によって確認するとともに、処理の自動化に必要な技術の検討も進めた。さらに、顔の3次元的な特徴を加味した高次元ダイナミックモデルを目指して、3次元スキャナによる顔の測定結果から得られる3次元形状および顔面テクスチャ情報を高次元ベクトルとして抽出する処理過程の検討ならびにそのデータ収集を開始した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 大図正孝, 大竹俊輔, 小林敏和, 赤松茂: "形状とテクスチャ空間における印象の判別関数を用いた顔画像のイメージ生成"ViEW2003ビジョン技術の実利用ワークショップ論文集. 93-98 (2003)
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[Publications] 小林敏和, 大図正孝, 大竹俊輔, 赤松茂: "形状,テクスチャ空間における線形判別関数を用いた顔画像の印象変換"電子情報通信学会研究技術報告. IE2003-224. 7-12 (2004)
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[Publications] 矢野大亮, 阿部千尋, 石山亜希, 赤松茂: "レンジファインダを用いた顔の3次元モーフィングモデルとその応用"電子情報通信学会研究技術報告. IE2003-225. 13-18 (2004)
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[Publications] 小谷秀輝, 関口利彦, 真壁弘樹, 赤松茂: "カラー画像処理と部分空間類別法を用いたシーン中の顔検出"電子情報通信学会研究技術報告. PRMU2003. (2004)
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[Publications] 田中健一, 町田和幸, 松浦晋吾, 赤松茂: "顔画像による個人認証システムにおける人種効果の分析"電子情報通信学会研究技術報告. PRMU2003. (2004)
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[Publications] 伊師華江, 行場次朗, 蒲池みゆき: "笑顔強度と印象の関係性の分析"日本顔学会誌. 3. 5-11 (2003)
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[Publications] 作田由衣子, 行場次朗: "顔と名刺の印象と記憶容易性"イメージ心理学研究. 1. 73-80 (2003)
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[Publications] 伊師華江, 蒲池みゆき, 行場次朗: "視覚探索課題を用いた動的な表情特性の検討"日本顔学会誌. 3. 169 (2003)