2003 Fiscal Year Annual Research Report
インターネット空間における倫理行動の構造に関する国際比較調査による実証研究
Project/Area Number |
15300080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
奈良 由美子 放送大学, 教養学部, 助教授 (80294180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板井 孝一郎 宮崎大学, 医学部, 専任講師 (70347053)
中島 尚正 放送大学, 教養学部, 教授 (00011073)
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Keywords | 情報倫理 / 日常倫理 / インターネット / 質問紙調査 / 国際比較研究 / 性格特性 / インターネット空間の匿名性と不可視性 / 対人関係 |
Research Abstract |
本研究は、人々のインターネット空間と日常生活における倫理についての意識と行動の実態を把握し、両者の関係を明らかにすることを中心課題に据えながら、個人の属性(a:合理的エゴイスト傾向・共感性・良心形成などの性格特性、b:インターネット利用頻度とリテラシー、c:匿名性・不可視性などのインターネット特性への認知、d:人間関係の取り結び方、e:性別・年齢・職業などの基本属性)の倫理意識・行動への効果について、質問紙を用いた社会調査によって解明することを目的としている。本研究は、日本、アメリカ、シンガポールについての国際比較研究でもある。科学研究費の交付を受ける初年度の15年度にあっては、以下の課題を遂行した。課題1:14年3月に実施したFINE調査のデータについての詳細な分析・考察および研究発表。課題2:FINE調査データから問題発見支援ツールKeyGraphを用いた分析による新仮説の抽出。課題3:継続調査を実施するための準備(質問紙の再検討、調査対象者の把握等)。課題1については、性別や性格特性またインターネット特性への認知や利用頻度・リテラシーの効果を多変量解析により明らかにし、課題2については、情報志向性やリスク認知の程度といった潜在的説明変数を抽出したうえで、それぞれその成果を学会誌・書籍等に公表した。課題3については、調査全体企画、国内調査準備(前回調査および時系列調査の内容と質問紙の再検討)、対象者抽出フレームの作成、海外調査準備(国内調査用の質問紙をベースに質問紙の英語訳作成)、海外調査実施に向けての現地調査会社情報収集確認等の作業を行った(実査ならびにその準備については調査会社に委託)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yumiko Nara: "Risks and Information Ethics on the Internet"危険と管理(日本リスクマネジメント学会). 35(in print).
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[Publications] Yukio Ohsawa, Yumiko Nara: "Human Decision Modeling across the Net and Real World by Double Helical Model of Chance Discovery"Journal of New Generation Computing, Springer Verlag and Ohmsha. Vol.21 No.2. (2003)
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[Publications] Yumiko Nara, Tetsuji Iseda: "Ethics on the Internet : A Comparative Study of Japan, the United States, and Singapore, in Andrew Feenberg and Darin Barney, editors. Community_in_the Digital Age : Philosophy and Practice, chapter 9"Rowman and Littlefield(in print).
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[Publications] 奈良由美子, 伊勢田哲治: "インターネット上の倫理行動の構造-性格特性との相関を中心に-、水谷雅彦他編著、情報倫理の構築"新世社. 312 (2003)
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[Publications] Yumiko Nara, Yukio Ohsawa: "Foundations and Applications, Yukio Ohsawa and Peter McBurney, editors. Chance Discovery"Springer Verlag. 401 (2003)
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[Publications] 奈良由美子, 大澤幸生: "社会調査における応用、大澤幸生監修著、チャンス発見の情報技術"東京電気大学出版局. 354 (2003)