2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300082
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
相田 満 国文学研究資料館, 研究情報部, 助手 (00249921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 正一郎 国文学研究資料館, 研究情報部, 助教授 (50218616)
山田 直子 国文学研究資料館, 整理閲覧部, 助手 (20151011)
入口 敦志 国文学研究資料館, 研究情報部, 助手 (80243872)
杤尾 武 成城大学, 文芸学部, 教授 (70082477)
中島 和歌子 北海道教育大学, 教育学部札幌校, 助教授 (00243288)
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Keywords | オントロジ / 類書 / シソーラス / 枕草子 / 本朝麗藻 / 古今図書集成 / データマイニング / 和漢比較文学 |
Research Abstract |
研究初年度は、標記研究分担者とあわせて12名の研究協力者を得て、オントロジという概念についての共通理解と各自の問題設定を中心議題とする3回の研究会を開催し、それぞれの研究会における研究成果を中間報告書を兼ねた『和漢古典学のオントロジ1』という冊子にまとめた。 哲学用語「存在論」に語源を持つ、オントロジという概念自体が非常に広範で、知識形成に関わる根本的な理念を含むため、研究報告では情報学的理念にとどまらぬ、さまざまな観点からの分析・考察がなされたが、従来の文学研究の枠組みに包含しきれない部分をどのように昇華させ、主張していくか今後の課題として浮上してきたように思える。 また、本研究をさらに深化させるためのオントロジ資源となるデータの蓄積も行った。本年度で入力を完了したものに『淵函類鑑』の部立目録がある。それに続いて進めているデータ入力作業で、大部なものでは『和漢三才図会』の部立目録がある。本作業が完了した際には、日本最大の部類型百科全書ともいえる『古事類苑』の配列と形成過程を分析するための基幹資料となるであろう。 さらに、蓄積されるオントロジ資源を検索・分析システムに供するためのデータ形式とデータ変換のためのアルゴリズムを策定し、それをもとにデータを加工するツールを開発した。 開発したツールは、オントロジを蓄積するための基本フォーマットを、それぞれ出現位置を示すIDを付加する形式に変換し、さらにそれをもとに二者間のオントロジの配列の比較をグラフによって表現するため値を自動的に付与するものである。 今後は、そのツールを利用してデータを蓄積するとともに、検索システムの開発を進めるとともに、実際にツールを駆使した研究を各分担者・協力者と進めたい。
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[Publications] 相田 満: "「標題学」方法序説"情報知識学会第11回(2003年度)研究報告会講演論文集. 15-20 (2003)
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[Publications] 相田 満: "古典的オントロジ資源の可能性-和漢古典学のオントロジ-"人文科学とコンピュータシンポジウム研究論文集. 47-54 (2003)
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[Publications] 相田 満: "オントロジとは何か"和漢古典学のオントロジ. 1. 7-20 (2004)
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[Publications] 佐伯雅子: "『本朝麗藻』の分類意識"和漢古典学のオントロジ. 1. 21-36 (2004)
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[Publications] 中島和歌子: "『枕草子』初段と和漢の類書の首巻部類標題の関係についての覚書"和漢古典学のオントロジ. 1. 37-47 (2004)
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[Publications] 蔵中ひのぶ: "長安西明寺の類聚編纂書のオントロジとその受容"和漢古典学のオントロジ. 1. 50-72 (2004)