2005 Fiscal Year Annual Research Report
母子間相互作用における2個体脳活動同時計測とその力学系シミュレーションモデル
Project/Area Number |
15300086
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10211715)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
開 一夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30323455)
|
Keywords | ダブルTV / 時間遅延 / 脳活動計測 / 神経ネットワーク / 能動知覚 / 随伴性 |
Research Abstract |
研究実績 開研究室は、母子間相互作用場面における脳活動計測に関して、ダブルTV環境を構築し、実験者(未婚女性)と乳児との相互作用場面における,乳児の側のEEG計測を実施した.具体的には,映像遅延装置を用いて相互作用に4秒の時間遅延が挿入される条件(Delay条件)と遅延のない条件(Live条件)におけるγ帯(20Hz-40Hz)の活動を比較した.対象とした被験児は4ヶ月から5ヶ月児23名のうち,Delay条件とLive条件をそれぞれ3セッション以上実施できた12名を分析の対象とした. 分析の結果,Delay条件とLive条件に対するEEGの分析結果に差がみられ、特に両側後側頭葉・下頭頂葉周辺の活動は,Live条件よりもDelay条件で有意に大きく活動していることが明らかになった.現状における推察として,Delay条件が,社会的な随伴性検出に関わるコストが高かったと解釈できる. 池上研では、神経ネットワークを用いた知覚の数理モデルをつくり、能動的、受動的な条件を力学系のアトラクターと関係させた。特に2つの人工的な腕を使ったシミュレーションでは、この2つの腕の間の信号伝達にdelayをいれることでアトラクアーの安定性を調べ受動的なアトラクターが能動的なものよりも不安定であるという結果を得ている。またカオス的遍歴状態と知覚の関係をしらべ、空間パターンのセンサーのなぞり方により異なるアトラクターがネットワークの内部に選ばれることを示した。また言語的な相互作用と前言語的ターンテークとの関係を論じ、どちらも不完全な随伴性(imperfect contingency)が鍵となることを議論し、イギリスでの新しい認知言語学会や駒場でのSocial Cognitionの国際会議で発表をした。
|
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Journal Article] Experiments toward a mutual adaptive speech interface that adopts the cognitive features humans use for communication and induces and exploits users' adaptation.2005
Author(s)
Komatsu, T., Utsunomiya, A., Suzuki, K., Ueda, K., Hiraki, K., Oka, N.
-
Journal Title
International Journal of Human-Computer Interaction 18(3)
Pages: 243-268
-
-