2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
ROSE John Anthony 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 科学技術振興特任教員(常勤形態) (00345125)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
萩谷 昌己 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30156252)
陶山 明 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (90163063)
坂本 健作 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (50240685)
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Keywords | 統計熱力学 / ヘリックス-コイル転移 / 融解 / DNAコンピューティング / Whiplash PCR / DNAチップ / タグ-アンチタグ系 / ハイブリダイゼーション・エラー |
Research Abstract |
研究計画の第二年次は、Whiplash PCR(WPCR)反応を高効率で実行する上でのより実際的な問題の検証と改善に重点を置いた。「バックハイブリダイゼーション」に起因する反応効率の低下を予測した関係式、およびPWPCR法やDWPCR法による反応効率の改善を実証するための実験をデザインし、現在も実験を進めている。一連の実験では、蛍光基の間で起こる蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)を利用して、バックハイブリダイゼーションによるヘアピン構造と目的のヘアピン構造を直接観測して見分けることができる。 高効率で固定化できるDNA配列をWPCR反応向けに設計するために第一年次に開発した、タグ-アンチタグ系およびヘアピン形成時のエラーに関する平衡モデルの詳細を、WPCR/PWPCR反応系の概要と併せてNatural Computing誌[2]、国際会議KESO4での招待公演(Keynote Lecture)[5]において発表した。エラーに関するモデルを固定化と入力を行う際の最適温度の評価が可能になるように拡張し、Java言語で実装した。このモデルはKESO4で「a Best Paper Award」を受賞し、KES Journal誌の招待論文として発表した[1]。さらに大きな系でのシミュレーションに向けて、ソフトウェアの並列化を進めている。 PWPCR法の実行には困難が予想されたため、高効率でWPCR反応を行うためのよりすぐれた改善法を考案した。このDWPCR法では、PNAを結合させる代わりにDNAポリメラーゼを用いた伸長反応によりDNA鎖を交換し、バックハイブリダイゼーションが起こるサイトを保護する。PWPCR法よりも大幅に高い反応効率が予測され、WPCR反応による遺伝的プログラムの実装を困難にするPNA結合のための配列が不要となる。
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Research Products
(6 results)