2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300110
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
川口 泰雄 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (40169694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根東 覚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (20301757)
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Keywords | 大脳皮質 / GABA / 樹状突起 / スパイン / 錐体細胞 / バスケット細胞 / ニューログリア細胞 / ダブルブーケ細胞 |
Research Abstract |
今年度は前頭皮質の非錐体細胞、錐体細胞のサブタイプを同定して、樹状突起やスパインの特徴を調べ、サブタイプ間のシナプス伝達について調べた。多くのスパインで、電子顕微鏡でシナプス入力があることを確認できた。スパインは細胞体から50ミクロンまでは少なく、それより遠位では一様に分布していた。終末分枝長は、平均で樹状突起分岐間隔より長く、特にFSバスケット細胞で顕著であった。細胞体から出る樹状突起数(一次突起)、その伸長方向、平均分岐間隔、平均スパイン密度で非錐体細胞をわけると、樹状突起パターンが大きく3つあることがわかった。第1群(FSバスケット、LSニューログリア細胞を含む)は一次突起の数が多くあらゆる方向に伸び、分岐間隔が短い。第3群(ダブルブーケ、小型バスケット、CCK大型バスケット細胞を含む)は一次突起の数が少なく垂直方向に伸びる傾向があり、分岐間隔が長い。第2群(マルティノッティ細胞)は中間的であるが、スパイン密度が高い。マルティノッティ細胞、ダブルブーケ細胞、FS細胞のスパインを比較すると密度が異なるだけでなく、長さや形が異なることがわかった。マルティノッティ細胞のスパインは長く、マッシュルームタイプの割合が高い。複数のヘッドをもつスパインもマルティノッティ細胞で多くみられた。スパイン密度・形態と樹状突起分枝パターンが関連することから、サブタイプごとに特有の入力様式があると考えられる。皮質出力ニューロンに関しては、線条体・前頭皮質回路の理解にとって重要な、線条体へ投射する錐体細胞(皮質線条体ニューロン)を蛍光逆行性色素で同定して、その形態的サブタイプを定量的に同定した。同定した錐体細胞の間の興奮性シナプス、またFS細胞から錐体細胞へのGABAシナプスを比較したところ、細胞体で観測できるシナプス電流の部位依存性が大きくことなることが分かった。
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Research Products
(1 results)