2004 Fiscal Year Annual Research Report
動作の観察・模倣とその理解に関わる脳機能の非侵襲的解明研究
Project/Area Number |
15300111
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
西谷 信之 国立身体障害者リハビリテーションセンター(研究所), 感覚機能系障害研究部感覚認知障害研究室, 室長 (00360678)
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Keywords | 動作 / 模倣 / 脳磁場計測 / ダイナミック磁気共鳴分光法 / ブローカ野 / ヒト・ミラー・ニューロン・システム / 国際情報交換 / フィンランド |
Research Abstract |
本研究の目的は,相手の言動・表情の意図の理解,すなわちソーシャル・コミュニケーション(SC)に関わる前頭葉機能と脳内ネットワークを非侵襲的に解明することである. これまで,後下前頭部を主座とするこのSCに関わるヒトの脳機能を,非言語的動作や口唇形状の異なる静止画像を用いて解明してきた(ヒト・ミラー・ニューロン・システム:HMNS). このシステムが他のモダリティにおいても賦活され機能するか否かを明らかにするために,視覚・聴覚に加えて,触覚ディスプレイによる言語・非言語情報を用いて,その認知(観察)と再現(模倣)時における脳活動を評価した.その結果一次体性感覚野に加えて後下前頭部(特に左半球)の賦活を認め,SCに関わる情報の一部を形成する触覚情報に対しても,その情報の理解にHMNSが関わっていることを明らかにした(投稿中).さらに本研究の共同研究者であるRiitta Hari教授が主宰するヘルシンキ工科大学低温研究所脳機能部門からの研究者(Veikko Jousmaki上席研究員)と,触覚刺激を用い関連する解明研究を実施した(印刷中). 次に,HMNSが後下前頭部ブローカ野に加えて運動野においても関連して機能し,特に模倣時にその活動が有意に上昇することから,新しい技術の習得(学習)への模倣の効果を明らかにする研究を開始した.第2もしくは第3言語として日本手話を現在習得中の学生(総数20数名)において,手話手型の観察,模倣,自身による形成課題を実施し,経時的に脳機能を評価している.最終的には平成17年度にまで計測を継続し総括する. また他者の動作などの理解には,その動作が自らの動作であるのか,他者の動作であるのか識別する必要がある.このために計測用の特殊ミラーや映像フィードバックシステムを現在作成中であり,平成17年度にかけて研究を継続する予定である.(782字)
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Research Products
(7 results)