2005 Fiscal Year Annual Research Report
動作の観察・模倣とその理解に関わる脳機能の非侵襲的解明研究
Project/Area Number |
15300111
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Research Institution | Research Institute, National Rehabilitation Center for Persons with Disabilities |
Principal Investigator |
西谷 信之 国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所, 感覚機能系障害研究部感覚認知障害研究室, 室長 (00360678)
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Keywords | 動作 / 模倣 / 脳磁場計測 / 視線認識 / ブローカ野 / ヒト・ミラー・ニューロン・システム / ソーシャル・コミュニケーション |
Research Abstract |
本研究の目的は,相手の言動・表情の意図の理解,すなわちソーシャル・コミュニケーション(Social Communication : SC)に関わる前頭葉機能と脳内ネットワークを非侵襲的に解明することである. SCに関わると考えられるヒトの脳機能ヒト・ミラー・ニューロン・システム(Human Mirror Neuron System : HMNS)に関して、その活動の時間的推移を含めて、ヒトで始めて後下前頭部の機能について解明して以来、種々のモダリティにおいても賦活されることを明らかにしてきた. 平成17年度では,前年度に引き続き,自他の動作の認識に関わる脳機能とHMNSの関係を解明するために,特殊ミラーを完成させ,現在計測中である. 一方SCにおいては,他者の視線からも様々な情報を受け取るが,視線の認識とHMNSの関係について解明した.その結果,後中側頭部(MT/V5)の活動に加えて,これまでの口唇の観察・模倣・実行の結果と同様にHMNSが賦活されることを明らかになった(投稿中).また視覚野の活動の大きさを基準にし、賦活領域の活動の大きさを,口唇の場合と比較したところ、同程度に賦活されていることが明らかになった.この結果は、他者の視線情報と口唇形状による情報とは、SCにおいては,同程度に情報伝達を担っていることを示唆するものであると考えられた. 次にHMNSの臨床応用として,書痙の患者において他者の書字の観察・模倣・実行における脳活動の比較では,他者の観察や自らの実行に比べて,書字の模倣時では,運動野を含むHMNSの活動が亢進していることが明らかになった.このことは,他者の動作の模倣が,機能改善に有用であることを示唆するものであると考えられた(投稿準備中).今年度の研究発表では、以上の研究結果の一部,および臨床応用も含めて,SCに関わる前頭葉機能について発表した。(783字)
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Research Products
(3 results)