2004 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍の生物学的活性に基づく新しい病理診断基準の確立に関する研究
Project/Area Number |
15300113
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中里 洋一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10106908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平戸 純子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60208832)
佐々木 惇 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80225862)
横尾 英明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40282389)
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Keywords | 脳腫瘍 / 組織マイクロアレイ / 画像解析 / 免疫組織化学 / 神経組織特異抗体 |
Research Abstract |
1.研究対象とするヒト脳腫瘍の症例を収集し、形態学的解析を行なった。解析した項目は、細胞密度、多態性、腫瘍細胞核面積、核分裂像、GFAP陽性率、MIB-1陽性率などである。この形態学的解析には昨年開発したパーソナルコンピューター用の画像解析ソフト(Tanaka G et al.,2004)を用いた。腫瘍の多態性をエントロピーにより表現することにより、純粋に形態学的概念である多態性を数値化することができ、これが腫瘍の悪性度分類と相関することが明らかになった。 2.グリオーマおよび髄膜腫について、改良したティッシュマイクロアレイ作製技術を応用し、腫瘍のティッシュマイクロアレイを作製した。グリオーマ約300例、髄膜腫約70例のアレー標本が作成された。このアレー標本について様々な染色法と免疫組織化学法を適用し、腫瘍の組織学的および免疫組織化学的解析を行なっており、この方法論の有用性と限界が明らかになってきた。 3.神経細胞とoligodendrogliaの転写因子であるOlig2の合成ペプチドに対してポリクローナル抗体を作製し(Yokoo H, et al.,2004)、この抗体の特性を解析するとともに、今年はさらに広い範囲の脳腫瘍に対する免疫組織化学的検索を進めた。その結果、この抗原はoligodendroglioma系統およびastrocytoma系統の腫瘍に発現しており、しかもその発現はGFAP発現とは相補的であり、両者が同時に発現することはないことが明らかにされた。 4.ヒト正常組織および脳腫瘍組織のティッシュマイクロアレイに対して、in situ RT-PCRおよびFISHを用いて遺伝子異常の解析を進めるための、準備として機器の整備と基礎的条件の設定を行なった。FISHにはマイクロウエーブプロセッサーによる処理が必須であることがわかり、また至適反応条件の設定が完了した。
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Research Products
(7 results)