2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍の生物学的活性に基づく新しい病理診断基準の確立に関する研究
Project/Area Number |
15300113
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中里 洋一 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10106908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平戸 純子 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (60208832)
佐々木 惇 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80225862)
横尾 英明 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (40282389)
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Keywords | 脳腫瘍 / 細織マイクロアレイ / 画像解析 / 免疫組織化学 / 神経組織特異抗体 |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続き、研究対象とするヒト脳腫瘍の症例を収集し、形態学的解析を行なった。解析した項目は、細胞密度、多態性エントロピー、腫瘍細胞核面積、核分裂像、GFAP陽性率、MIB-1陽性率などである 2.収集した膠芽腫についてWHOとの共同研究を行ない、膠芽腫の遺伝子異常には人種間で差異があることを明かにした(Fukusima T, et al.2005)。 3.収集症例に関する病理学的解析結果を論文として発表した(Sasaki A, et al.2005;Yako K, et al.2006) 4.転写因子Olig2に対して作製したポリクローナル抗体を用いて、6例のpapillary glioneuronal tumorを検索し、本腫瘍の構成細胞にはOlig2を発現するものが含まれており、神経細胞と星細胞のほかに第3の構成要素として乏突起膠細胞が含まれていることを明かにした(Tanaka Y, et al.2005)。 5.脳腫瘍378例のティッシュマイクロアレイ標本を作製し、これについて免疫組織化学的検索を行った。使用した神経系組織関連抗体は37種類である。免疫組織化学的反応はスコア化し、クラスター解析により分析した。その結果、脳腫瘍は7群に分類された。星細胞系腫瘍と乏突起膠細胞系腫瘍を識別する抗原、高異型度膠腫と低異型度膠腫を識別する抗原が見いだされた。これについて学会発表を行ない、現在は論文発表の準備中である。 6.脳腫瘍における遺伝子異常を解析するため、chromogenic in situ hybridization(CISH)による検索を行ってきた。膠芽腫の75例についてCISH法によるepidermal growth factor receptor(EGFR)遺伝子増幅を検索し、14例で陽性所見を認めた。この陽性症例における腫瘍浸潤部において、腫瘍細胞の浸潤様式をCISH法とH&E染色を重染色で解析した。
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Research Products
(6 results)