2004 Fiscal Year Annual Research Report
成体由来幹細胞の樹立と自家および同種移植による脊髄の再生・機能再建
Project/Area Number |
15300114
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Research Institution | Kyoto University Graduate School of Medicine |
Principal Investigator |
井出 千束 京都大学, 医学研究科, 教授 (70010080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 義久 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30243025)
出澤 真理 京都大学, 医学研究科, 助教授 (50272323)
菅野 洋 横浜市立大学, 医学部, 講師 (40244496)
松本 直也 京都大学, 医学研究科, 助手 (50359808)
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Keywords | 骨髄間質細胞 / 脊髄損傷 / 髄液内注入 / 空洞 / 行動の恢復 / 神経幹細胞 / 栄養因子 / 急性期 |
Research Abstract |
本研究では、神経幹細胞の培養と脊髄損傷ラットへの移植による効果を調べた。しかし一方で、骨髄間質細胞の移植による脊髄損傷の治療効果がはっきりして来たために、自家移植が可能であり、かつ増殖の制御が可能である点で、臨床応用に有利な細胞として骨髄間質細胞の移植を優先した。 1.まず、神経幹細胞が少なくとも死後2日のラットから培養できることを示し、移植に用いた。 2.胎児からも神経幹細胞を培養して移植に用いた。 3.いずれの神経幹細胞も損傷脊髄に移植することで、良く生着し、宿主組織に組込まれた。 4.また、脊髄表面に付着した神経幹細胞は時間の経過とともに増殖して、脊髄表面全体を覆うようになった。 5.神経幹細胞は、同種移植によらざるを得ず、かつ増殖が制御できない状態では移植細胞として問題があることが分かった。 6.一方、骨髄間質細胞は移植後の安全性から、臨床応用に適する細胞であることが分かった。 7.細胞の移植は最初は損傷部に直接入れる方法をとったが、その後髄液内に注入する方法によるようになった。 後に述べるようにこの方法は急性期の治療に適していると考えられる。 8.髄液経由あるいは損傷部直接いずれの方法によっても、骨髄間質細胞は移植後3 4週に宿主脊髄から消失することが分かった。それでも損傷脊髄は空洞の体積が小さくなり、宿主の行動的な恢復が見られた。 9.上の所見から、骨髄間質細胞は細胞自体が宿主組織に組込まれて効果を発揮するのではなく、細胞から分泌される栄養因子と考えられる機能分子が放出されて細胞死を制御するのもと考えられる。 10.また、骨髄細胞を分画して、培養というステップを経ないで単核球を移植する方法を検討中である。 11.骨髄の再生には急性期と慢性期を分けて考える必要がある。急性期には変性すべき細胞の救済という点が主な目的であり、慢性期では欠損した組織の補充が主である。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Alginate enhances elongation of early regenerating axons in spinal cord of young rats.2004
Author(s)
Kataoka K., Suzuki, Y., Kitada, M., Hashimoto, T., Chou, H., Bai, H., Ohta, M., Wu, S., Suzuki, K., Ide, C.
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Journal Title
Tissue Engineering 10
Pages: 493-504
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[Journal Article] Bone marrow stromal cells infused into the cerebrospinal fluid promote functional recovery of the injured rat spinal cord with reduced cavity formation.2004
Author(s)
Ohta M, Suzuki Y, Noda T, Ejiri Y, Dezawa M, Kataoka K, Chou H, Ishikawa N, Matsumoto N, Iwashita Y, Mizuta, Kuno S, Ide
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Journal Title
Exp.Neurol. 187
Pages: 266-278
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[Journal Article] Specific induction of neuronal cells from bone marrow stromal cells and application for autologous transplantation.2004
Author(s)
Dezawa M, Kanno H, Hoshino M, Cho H, Matsumoto N, Itokazu Y, Tajima N, Yamada H, Sawada H, Ishikawa H, Mimura T, Kitada M, Suzuki Y, Ide C.
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Journal Title
J Clin Invest 113
Pages: 1701-1710