2004 Fiscal Year Annual Research Report
嗅球情報処理機構の解明:機能単位である嗅球糸球体を構成する神経細胞の詳細解析
Project/Area Number |
15300115
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小坂 克子 九州大学, 医学部, 教授 (60202058)
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Keywords | 中枢神経系 / 嗅球 / 介在ニューロン / 主ニューロン / 免疫細胞化学 / レーザー顕微鏡 / 電子顕微鏡 / 嗅覚伝達 |
Research Abstract |
昨年に引き続き、研究実施計画に従い、糸球体を構成している神経要素相互関係の詳細を、正常及びトランスジェニックマウス(1)嗅神経特異的に蛍光色素GFPを発現させたマウス、(2)GABAニューロン特異的に蛍光色素GFPを発現させたマウス、(3)connexin 36遺伝子にレポーター遺伝子β-galactosidase, alkaline phosphataseを組み込んだ遺伝子改変マウス、3種類を用いながら、共焦点レーザー走査顕微鏡(CLSM)、電子顕微鏡での解析を続行した。まず、(1)では嗅神経が完全に標識されているので、トレーサー標識した投射ニューロンである房飾細胞の樹状突起tuft上への嗅神経入力を完全に3次元再構築している。 また、ラットで傍糸球体細胞(PG)は嗅入力の有無から2タイプ(有;PG1,無;PG2)に分かれることを我々が提唱しており、正常マウスと(2)を用いて定性、定量的にその検証を行った。PG1,PG2を確認し、化学的形質はラットとは異なることが判明した。マウス主嗅球では、PG1はGABA陽性であり(この領域の全細胞中30〜40%)、PG2はCa結合蛋白カルビンディン(この領域の全細胞中10%)またはカルレチニン(この領域の全細胞中30〜40%)陽性であるが、それらのほとんどがGABA陽性でもあった。この点に関しては、食虫目ジャコウネズミをはじめ種差があることが判明した。他の形質について解析中である。 次にEM観察から上記とは別の未同定のPG1が僧帽細胞・房飾細胞の一次樹状突起血tuftとの間でギャップ結合を作っていることが判明した。更に、PG以外にギャップ結合を投射ニューロンと形成する新たな介在ニューロンの存在も示唆した。(3)により僧帽細胞とギャップ結合をつくるPGは様々な化学的形質を示すことを確認した。これらを継続解析して、基礎となる新たな細胞構成が解明されると思われる。
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Research Products
(4 results)