2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経系の発達・老化と病態における神経特異的遺伝子ファミリーBRINPの役割の解明
Project/Area Number |
15300120
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松岡 一郎 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (40157269)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30202328)
|
Keywords | 骨形成因子 / レチノイン酸 / 神経分化 / BRINPファミリー / 交感神経細胞 / 細胞増殖抑制 / 遺伝子ノックアウト / 神経系特異的遺伝子 |
Research Abstract |
我々が同定した神経特異的遺伝子BRINPファミリーは,神経細胞の分化過程でTrkCと共に誘導されるBRINP1とこれに類似する2種類のタンパク質からなり,神経回路形成や脳高次機能における生理的役割が推定される.本研究ではノックアウトマウスや発現系の構築を通じてBRINPファミリーの生理機能を解明することと種々の病態における役割を解明することを目的とする.本年度は,BRINPファミリー遺伝子の遺伝子欠損マウスの作成を継続すると共に,BRINPファミリーと相互作用するタンパク質を検索して,以下の成果を得た. 1)BRINP遺伝子欠損マウス作成用ターゲテイングベクターを構築した.欠損部位としては,各BRINPタンパク質コード領域の中で最大のエクソンである第8エクソンを用いた.各BRINP遺伝子Exon8欠損ES細胞を樹立し,キメラマウスの作成を行っている. 2)Two-Hybrid法により,BRINP1タンパク質と相互作用するタンパク質として,低分子量Gタンパク質,分化関連タンパク質リン酸化酵素,神経疾病関連ファミリータンパク質等を同定した.このうち,疾病関連ファミリータンパク質については,各ファミリータンパク質が全てのBRINPタンパク質と特異的な相互作用を行うことを再構成実験により確認した.さらに共発現系を用いた共焦点蛍光顕微鏡による観察により,BRINPファミリー遺伝子とこの疾患関連遺伝子ファミリータンパク質は細胞内で共局在することが示された.今後タンパク質分子内における相互作用領域を明らかにする. 3)BRINP2遺伝子のプロモーター解析を行い,組織特異的な発現に関与する領域を絞り込んだ.しかしこの領域には,TrkCやBRINP1の神経特異的発現を制御する配列NRSEは含まれなかった.今後各BRINPファミリー遺伝子の間の神経組織における相補的な発現制御に関わる領域を同定する.
|
Research Products
(4 results)
-
-
-
[Journal Article] Identification and characterization of novel developmentally regulated neural-specific proteins, BRINP (BMP/RA-Inducible Neural-Specific Protein) family.2004
Author(s)
Kawano, H., Nakatani, T., Mori, T., Ueno, S., Fukaya, M., Abe, A., Kobayashi, M., Toda, F., Watanabe, M., Matsuoka, I.
-
Journal Title
Molecuar Brain Research 120
Pages: 60-75
-