2003 Fiscal Year Annual Research Report
発生工学を用いた自己リン酸化型CaMKIIとシンタキシンの結合の意義の解明
Project/Area Number |
15300123
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
五十嵐 道弘 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50193173)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 通寿 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (40303127)
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Keywords | ミオシンV / シンタキシン / シナプス伝達 / カルシウム / カルモジュリン / 成長円錐 |
Research Abstract |
本基盤研究は2ヵ年の予定であり、本年度は以下の成果が得られた。 1.シンタキシンとミオシンVの相互作用について 既にシンタキシンとミオシンVの相互作用がCa^<2+>依存性に起こることを明らかにしていたが、重大な進展が見られた。以下の結果を元に現在、論文投稿中である。 1)分担研究者の渡部が結合の定量化に成功し、この結合がほぼ1:1の量比で起こる特異性の高い反応であることを証明した。 2)この結合を阻害する抗体を作成したところ、伝達物質放出は効率よく阻害された(上智大学熊倉鴻之助教授、笹川展幸助教授との共同研究を継続中) 3)この結合は、シナプス小胞上にあるミオシンVが担っていることを大脳皮質シナプスで確認した。さらにミオシンVは刺激によって、シナプス膜近傍に集合することを発見した(新潟大学車田正男教授、星野嘉恵子助手との共同研究を継続中)。 4)ミオシンVの運動性はシンタキシンとの結合でも保持されていることを証明した(群馬大学石川良樹講師との共同研究を継続中)。 2.成長円錐のプロテオミクスについて:既に成長円錐のプロテオミクスについては、第一段階の解析が終了し・成長円錐及びその膜画分でそれぞれ600種類ずつ、重複を除くと約1,000種類の蛋白質が完了した。 3.成長円錐の特異蛋白質で微小管脱重合能をもつSCG10の生化学的、および細胞生物学的解析を進めている。本年度は、SCG10が成長円錐のPドメインとCドメインの境界域に集合すること、そのリン酸化部位のうち、S50を不活性化するとその集積が失われることを発見した(ローザンヌ大学G.Grenningloh博士と共同研究を実施中)。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Igarashi M, Togano T, Niikawa T, Isobe T: "Proteomic approach of the growth cone functions"Bull Jpn Neurochem Soc. 42(3). 218-218 (2003)
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[Publications] Togano T, Niikawa T, Isobe T, Igarashi M: "The protein composition of the growth cone membrane by the proteomic analysis"Neurosci Res. 46(Suppl.1). S154-S154 (2003)
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[Publications] Nomura K, Ohyama A, Komiya Y, Igarashi M: "Minimal residues in linker domain of syntaxin 1A reruired for binding affinity to Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein kinase II"J Neurosci Res. 72(1). 198-202 (2003)
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[Publications] Watanabe, M., Igarashi, M.: "Ca^<2+>-dependent interactions of syntaxin and myosin-V"Mol Cell Biol. 14(Suppl.). 234a-234a (2003)
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[Publications] 五十嵐 道弘: "中枢シナプスの形成機構"蛋白質核酸酵素. 49(3). 263-269 (2004)
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[Publications] 五十嵐 道弘: "ブレインサイエンスレビュー2004"ブレインサイエンス社(印刷中). (2004)