2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300130
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
山形 要人 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (20263262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 弘子 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (40162870)
田中 秀和 大阪大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70273638)
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Keywords | Arcadlin / splicing / FRET / スライス培養 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
1)Arcadlinの細胞内領域が異なるsplice variant(Arcd-L)を見い出している。これは、Arcadlinの細胞内領域に97アミノ酸が挿入されたもので、まずその領域に対する抗体を作製した。その抗体を用いて、脳内分布を調べようとしたが、成熟した脳内ではArcd-Lがほとんど発現しておらず、神経活動による誘導されるかどうかははっきりしなかった。しかしながら、機能的にArcd-Lは細胞外領域の短いArcd-Sとは異なっており、HEK293T細胞にArcd-Lを発現させ、Arcadlin細胞外領域を同種結合させてもp38 MAPKのリン酸化およびArcd-Lのエンドサイトーシスは生じなかった。さらに、Arcd-Lのstable cell lineを作成し、cell aggregation assayを行ったところ、Arcd-Sのcell lineで見られなかったトランス同種結合が起きていることが分かった。以上の結果から、Arcd-LはArcd-Sとは異なった発現を示し、エンドサイトーシスが生じにくいため、細胞膜表面にとどまり、細胞接着活性を有すると考えられた。 2)Arcadlinの細胞内領域と結合するリン酸化酵素TA02を見出している。両分子が細胞内で会合するかどうかをArcadlin-EYFP、TA02-ECFPを用いたFRET実験でを行うことによって検討した。HEK293T細胞に両分子を発現させると、細胞膜近傍でCFP励起によるYFP蛍光が観察された。さらに、この細胞にArcadlin細胞外領域蛋白質を加え、同種結合を起こさせると、YFPの蛍光は徐々に減弱した。しかしながら、コントロールのタグ蛋白を加えてもFRETの消失は認められなかった。以上の結果から、ArcadlinとTA02は細胞内で結合しており、Arcadlinの細胞外同種結合によってその結合が弱まることが考えられた。 3)動物個体の神経細胞の形態変化を観る(in vivo imaging)ために、脳のスライス培養と電気穿孔法による遺伝子導入法を確立した。スライス内の神経細胞にEGFPを遺伝子導入し、神経細胞の形態変化を二光子レーザー顕微鏡を用いて観察することに成功した。今後、ノックアウトマウスの脳スライスにEGFPを遺伝子導入する予定である。
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Research Products
(3 results)