2004 Fiscal Year Annual Research Report
パルボウイルス関連疾患の病態モデルマウスの開発と病態発現メカニズム
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15300139
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
八神 健一 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40166476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 文博 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (90226481)
國田 智 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 講師 (10195472)
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Keywords | パルボウイルス / 病態モデルマウス / NS / エピジェネシス |
Research Abstract |
1)トランスジェニックマウスの作製 NSのP4プロモーターにEGFPを連結したトランスジェニックマウスを作製し、そのうちの数系統についてEGFPの発現をFACSにより解析した。予備的実験により、精巣でEGFPを発現するマウスが得られている。Tet制御下でNSを発現するマウスは、当初作製したTetマウスで誘導的発現の制御が不十分で、発現のリークが認められたため、再作成し、現在、誘導的発現の制御を確認中である。 2)ウイルスベクターによるNSの導入とその影響 トランスジェニックマウスの作製と併行し、レトロウイルスベクターによりNSの導入をin vitroおよびin vivoで検討した。NS-EGFPベクターを感染させたC58(NT)D細胞では、感染12時間後には微絨毛が顕著に伸長し、感染後48時間までに殆どの細胞が凝集塊を形成し、細胞の接着性の亢進が観察された。また、感染後48時間までに多くの細胞が死滅した。NS発現細胞でアポトーシスの誘導が示唆されたため、NS-EGFPとEGFPベクター感染細胞におけるcaspase3/7活性を比較検討したところ、NS-EGFP感染細胞ではEGFP感染細胞よりcaspase活性が約30倍上昇していた。さらに、FACS解析の結果、NS発現は宿主細胞をG1期で休止させることが明らかとなり、G1期休止を介するアポトーシスにより細胞が死に至ることが示唆された。それぞれのベクターを感染させた細胞を、ヌードマウス皮下に接種して、腫瘍形成率と腫瘍サイズを比較したところ、NS-EGFPを発現した細胞は対照に比べて腫瘍のサイズや腫瘍形成率が抑制され、C58(NT)D/Rと同様に造腫瘍性の低下が確認された。同一ベクターを新生児ラットの胸腺内に接種して、胸腺細胞中でのNS-EGFPの発現、症状の発現について、検討中である。
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Research Products
(1 results)