2004 Fiscal Year Annual Research Report
TAT-Cre融合タンパク投与による生体遺伝子組み換え誘導方法の確立と実用化
Project/Area Number |
15300140
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 秀一 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (20261133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒巻 和宏 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (20271017)
近藤 科江 京都大学, 医学部, 助教授 (40314182)
後藤 一雄 (財)実験動物中央研究所, 遺伝研究室, 主任研究員 (00205593)
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Keywords | 遺伝子組み換え / TAT / Cre / コンデショナル |
Research Abstract |
コンデショナル遺伝子改変動物の代表的な手法の1つに、P1ファージ由来のCreリコンビナーゼとパリンドローム構造を有する34塩基対からなるLoxPの不可逆的遺伝子組み換えを利用した方法がある。Creリコンビナーゼ発現Tg作製の代替として生体においてCreタンパクを任意の時間、もしくは臓器特異的に取り込ますことが出来れば、コンデショナル遺伝子改変動物作製の時間的短縮、労力および経費の削減が期待される。1988年GreenとFrankelによって、生細胞膜を自由に通過するHuman Immunodeficiency Virus (HIV)由来の86〜101アミノ酸から構成される小さなタンパク質で、Transactivater (TAT)が発見された。その後、このTATタンパクが細胞膜・核膜を通過し核へ移行する性質や機構が徐々に解明され、このユニークな性質を利用したTATと目的とするタンパクの融合タンパクを合成し、細胞内へ直接的に融合タンパクを取り込ませることで、細胞レベルでのタンパク機能解析が試みられている。 本研究では生体内での遺伝子組み換えを惹起する目的で、TAT-Cre融合タンパク生体内投与(注射)によるコンディショナル遺伝子改変動物作製方法の確立・実用化を目指した。我々は、TAT-Cre融合タンパクを培養細胞に用い、細胞レベルでリコンビネーションの確認を行った。次いで、生体内でのリコンビネーションを確認するための数種類のトランスジェニックリポーターマウス(pCX-lox-EGFP-lox-deRed2、pCX-lox-dsRed2-lox-EGFP、pCX-lox-EGFP-lox-mRed、pCX-lox-mRed-lox-EGFP、pCX-lox-EGFP-lox-Luci)を作製し、このトランスフェニックママウス生体内にTAT-Cre融合タンパクを注射後、生体内でリコンビネーションがおきている事を確認した。 HIV由来のTATタンパクとCreリコンビナーゼの融合タンパク注射による生体内遺伝改変動物作製が可能であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)