2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ組織体の動的構造制御による新規バイオナノシステムの創製
Project/Area Number |
15300158
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
秋吉 一成 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (90201285)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 泰彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助教授 (90280990)
渡辺 昭彦 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (30126263)
森本 展行 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (00313263)
|
Keywords | ナノゲル / 会合性高分子 / 自己組織化 / 疎水化多糖 / 分子シャペロン / 人工分子シャペロン / タンパク質フォールディング / 細胞外タンパク質合成 |
Research Abstract |
ナノゲル微粒子の動的構造制御により、分子シャペロン機能や細胞機能制御能を有する新規バイオナノシステムの創製とバイオテクノロジーや医療への応用を目指し研究を行った。具体的には、タンパク質のフォールディングを助ける分子システムを構築し、タンパク質再生システムや高効率細胞外タンパク質合成システムの開発を行った。我々は、疎水化高分子の自己組織化を利用することで、タンパク質と相互作用しえる空間を有するナノゲルが構築できることを明らかとしてきた。タンパク質を内包したナノゲルにシクロデキストリン(CD)を添加すると正常型のタンパク質を放出しえることを明らかにした。また生体類似の動的システムとして、ナノゲルとCDとの平衡系を検討した。ナノゲルへCDを添加すると微粒子が崩壊した種と粒径が大きくなったナノゲル(動的ナノゲル)が共存した。ここにタンパク質を添加し、加熱するとタンパク質の変性温度以上で動的ナノゲルと複合化して凝集体形成を抑制し、冷却により系の平衡がずれて複合化したタンパク質が自発的に放出され活性が回復した。最適CD濃度条件を境として酵素の取り込みと放出を温度に応答して可逆的に行うことを明らかとした。タンパク質の熱相転移変化と動的ナノゲルの平衡系が上手く連動したシステムで熱に対する新しい自律応答システムを構築した。また、光応答性分子としてスピロピラン基を有する新規会合性多糖を合成し、新規光応答性ナノゲルであることを明らかにし、その分子シャペロン機能を詳細に検討した。スピロピランは、フォトクロミズムに伴って親水性・疎水性の変換や大きな構造変化を引き起こす化合物である。光でナノゲル中のスピロピラン基の極性を変えることで、それ単独系よりも確かにシャペロン活性が増大することが明らかになった。光照射のタイミングと元のスピロピラン種の異性体の構造により活性に大きな差がみられることを見いだすとともに、新たな刺激応答性人工分子シャペロンシステムを構築した。
|
Research Products
(16 results)