2005 Fiscal Year Annual Research Report
合目的造形が可能な新規生分解性硬軟材料の開発と再生医学への応用
Project/Area Number |
15300167
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青柳 隆夫 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (40277132)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山元 和哉 鹿児島大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (40347084)
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Keywords | 温度応答性 / イソプロピルアクリルアミド / 再生医学 / 細胞培養 / 足場材料 / ポリラクチド / 分岐ポリマー / ポリカプロラクトン |
Research Abstract |
マクロモノマー法による架橋膜の作成法を用いて、力学的な物性の異なるカプロラクトンとラクチドとの共重合体架橋膜を調製し、昨年度の引き続きこれらの材料を用いて細胞接着性挙動および酵素分解挙動を詳細に追究した。 モデル細胞としてライン化されたHeLa細胞を用いて、カプロラクトンとラクチドの組成比が異なる架橋膜の細胞接着性試験を行った。その結果、カプロラクトン/ラクチドの組成比が90/10、80/20、70/30と変化するにしたがって、細胞接着性は向上することが判った。また、細胞増殖性を評価した結果、70/30の組成比の架橋膜が市販のポリススチレン性の細胞培養皿に匹敵する増殖性を示した。 得られた架橋膜の酵素分解性を詳細に追究した。モデル酵素にはシュードモナスリパーゼを用いた。その結果、カプロラクトン/ラクチドの組成比が90/10、80/20、70/30と変化するにしたがって、分解が抑制された。これは、用いたリパーゼがポリカプロラクトン連鎖を選択的に切断するためであると考えられた。重水酸化ナトリウムを重水に溶解させた溶液に分解後に残った架橋膜をいれて完全に分解させた後、NMRを用いてその組成変化を調べた結果、いずれの架橋膜においても分解前よりもラクチドの組成が増加していることが確認された。 軟材料については3級アミノ基(ジメチルアミノ基)および水酸基を有するイソプロピルアクリルアミド型のモノマーを合成し、イソプロピルアクリルアミドとの共重合を組成を変化させながら行った。いずれの共重合体についても大変明確な相転移挙動を示すことが確認された。ジメチルアミノ基を有する共重合体では、イソプロピル基とノルマルプロピル基では、ジメチルアミノ基の含量がほぼ等しい場合、イソプロピル体の方が、より相転移温度が低くなることが判った。また、水酸基を有する共重合体では、組成依存的な濁度変化が観察された。詳細な解析の結果、水酸基の高含率の共重合体はコアセルベーション形成による相分離を起こしていることが確認された。
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Research Products
(5 results)