2003 Fiscal Year Annual Research Report
ポリエチレングリコールを含む生体吸収性ブロック共重合体の医用材料としての応用
Project/Area Number |
15300172
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
大矢 裕一 関西大学, 工学部, 助教授 (10213886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 信二 日本油脂株式会社, 筑波研究所, 研究員
大内 辰郎 関西大学, 工学部, 教授 (60067650)
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Keywords | ポリ乳酸 / ポリデプシペプチド / ポリエチレングリコール / 癒着防止膜 / 生分解性材料 / 生体適合性 / 生体吸収性 / ブロック共重合体 |
Research Abstract |
本研究では癒着防止膜として最適な力学的強度と分解プロファイルを有する生分解性材料の合成を目的として,生分解性速度の調節が可能な乳酸-デプシペプチド・ランダム共重合体をAセグメントとし,親水性で組織非接着性を有するPEGをBセグメントとしたABA型トリブロック共重合体を合成した。Aセグメントのアミノ酸成分にはロイシンとフェニルアラニンをそれぞれ用いた。グリコール酸とα-アミノ酸からなる環状デプシペプチドとラクチドとをPEGに混合し,PEGの両末端水酸基を開始点としたすず系触媒を用いたバルク重合で合成を行った。環状デプシペプチドとラクチドとの仕込み比を変化させたり、分子量の異なるPEGを用いたりすることにより、種々に異なる各セグメント長を有する共重合体が得られた。得られた共重合体はキャスト法によりフィルムに成型し,フィルムのDSC測定,膨潤率測定,および,in vitroとin vivoでの生分解性試験を行なった。含水率はPEG含有率およびデプシペプチドユニット導入率の増加に伴って大きくなる傾向が見られ、最大で約700%の含水率を示した。In vitroにおける分解性は膨潤率試験の結果とよく相関しており、よく膨潤するフィルムほど早く分解し、14日間での分解率(重量減少)は早いもので約80%であった。マウスを角いたin vivo皮下埋入試験では炎症を惹起せず、40-50日かけてゆっくりと吸収されていく様子が観察された。以上の結果より、今回合成した共重合体は癒着防止膜として望ましい物性を有していることが示唆された。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] H.S.Choi, Y.Ohya, T.Ouchi (他4名): "Preparation and Characterization of Polypseudorotaxanes Based on Biodegradable Poly(L-lactide)/Poly(ethylene glycol) Triblock Copolymers"Macromolecules. 36(25). 9313-9318 (2003)