2004 Fiscal Year Annual Research Report
生体分子シグナルに応答するバイオハイブリッドゲルの合成と生医学的応用
Project/Area Number |
15300173
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Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
宮田 隆志 関西大学, 工学部, 助教授 (50239414)
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Keywords | ゲル / 刺激応答性ゲル / 生体分子間相互作用 / レクチン / 抗原抗体結合 / 分子認識 / 分子インプリント法 / バイオハイブリッド |
Research Abstract |
生体分子シグナルに応答するバイオハイブリッドゲルの合成として,(a)生体分子架橋ゲルの合成,および(b)生体分子インプリントゲルの合成を試み,次のような結果を得た。 (a)生体分子架橋ゲルの合成 抗原および抗体を化学修飾することによってビニル基を導入した後,抗原抗体結合を形成させた状態でアクリルアミドと架橋剤と共に重合することによって抗原抗体結合を架橋点として有するバイオハイブリッドゲルの合成方法を確立した。さらに,このような抗原抗体ゲルが抗原溶液中で架橋密度が減少することによって膨潤することが明らかとなった。また,ゲル内に導入する抗原抗体複合体量によってその抗原応答性が大きく影響されることが明らかとなった。また,糖結合タンパク質であるレクチンにビニル基を導入した後,側鎖糖を有するモノマーと架橋剤を共重合することによって,グルコース濃度に応答して可逆的に膨潤収縮するグルコース応答性ゲルを合成することに成功した。 (b)生体分子インプリントゲルの合成 肝癌マーカーとして知られている糖タンパク質(α-フェトプロテイン;AFP)をターゲット分子として用いて,その糖鎖部位を認識するレクチンとペプチド部位を認識する抗体とをリガンドとして用いた分子インプリント法によってAFPインプリントゲルを合成した。このゲルはAFPの存在を感知して収縮する肝癌マーカー応答性を示すことが明らかとなった。また,このときのゲル弾性率を測定した結果,AFPインプリントゲルの応答性は,AFP存在下でゲル架橋密度が減少するためであることが示された。さらに,内分泌攪乱化学物質の疑いのあるビスフェノールA(BPA)に対するリガンドとしてシクロデキストリンを用いた分子インプリント法によってBPA応答性を示す分子インプリントゲルの合成にも成功した。
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Research Products
(7 results)