2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300181
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
安田 和人 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (60182333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ニラウラ マダン 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (20345945)
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Keywords | 放射線検出器 / CdTe / 有機金属気相成長 / 画像検出器 |
Research Abstract |
昨年度はSi基板上でのCdTe層直接成長を検討し、単結晶CdTe層が直接成長できる成長条件を見出した。本年度はこれまでの検討結果を基礎として、Si基板上に直接成長したCdTe厚膜層の高品質化と、その成長層を用いたp-CdTe/n-CdTe/n^+-Siヘテロ接合型ダイオード型検出器の製作とその特性評価を実施し、検出特性の高性能化を検討した。 1.Si基板上のCdTe成長層高品質化 CdTe層成長の直前に実施するSi基板の前処理方法の改善を検討した。その結果、成長層の基板からの剥離や成長層多結晶化をほぼ完全に防止し、再現性よく単結晶CdTe成長が行える前処理条件を見出した。またCdTe厚膜層成長中に実施する、成長の中断と成長層アニール方法についても検討を行った。その結果、成長層中の歪みを緩和すると共に、転位密度と成長層中の深い準位密度も低減できるアニール条件を見出した。さらに、CdTe厚膜成長時の成長速度の高速化を検討した。その結果、成長層結晶性を劣化すること無く成長速度を高速化(70μm/h以上)できる成長条件を見出した。以上の検討によりSi基板上のCdTe厚膜を用いた放射線画像検出器実現基礎となる、Si基板上における高品質CdTe厚膜成長技術を確立した。 2.p-CdTe/n-CdTe/n^+-Siヘテロ接合型ダイオード型検出器 当初、ダイオード製作に用いた成長層では、CdTe層成長の技術的制約からSi基板とn-CdTe層の間にCdTe初期成長層を形成していた。この素子では逆方向V-I特性は良好であるが、順方向特性は初期成長層の直列抵抗によって劣化することがわかった。その後、成長技術の改善によりSi基板上にn-及びp-CdTe層を直接成長することに成功し、この成長層を用いたダイオードでは良好なV-I特性が得られることを確認した。現在このダイオードによるγ線検出の確認を目指して検討を実施している。
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Research Products
(6 results)