2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞増殖制御による生体組織および臓器保存・治療システム
Project/Area Number |
15300182
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玄 丞烋 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (90283655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 定美 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (00028739)
田中 紘一 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20115877)
和田 洋巳 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (90167205)
中村 孝志 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10201675)
米田 正始 京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20303810)
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Keywords | エピガロカテキンガレート / ポリフェノール / 細胞増殖制御 / 生体組織保存 |
Research Abstract |
高純度エピガロカテキンガレート(EGCg)を用いた種々の生体組織と細胞、例えば膵島、角膜、血管、神経、及びヒト血小板に対する常温長期保存効果を検討した。 1)ブタ膵島;24時間の保存期間を、形態、機能の面から、48時間以上保存できるようなEGCg添加条件の検索により、膵島細胞残存数および膵島機能はEGCg低濃度領域(0-120μg/ml)でのEGCgの膵島培養至適濃度は60-120μg/mlであった。再現性の得られる実験方法を確立することができた。 2)ウサギ角膜;角膜上皮細胞の保存を中心に、現時点での1週間保存を倍の2週間に延長する。また、同じ1週間においても上皮細胞の機能が既存の保存液よりも低下しないような系を検索することで、EGCg処理によりウサギ角膜を2週間保存したとき、角膜上皮の増殖能、進展能は未処理保存に比べて有意に大きな差を示した。 3)ウサギ血管;EGCg濃度の再検討、薬理学的試験、工学的試験と移植実験を行ったところ、生体から摘出することで血管は酸化ストレスによって不可逆的に収縮してしまい、内皮細胞にダメージを与えることがわかった。従ってEGCg由来の過酸化水素発生を制御する必要があることがわかった。 4)ラット神経;EGCg処理したラット抹消坐骨神経の同種移植による免疫抑制効果を検討したところ、免疫拒絶が認められなく、電気生理学的にも機能することがわかった。 5)ヒト血小板;ヒト血小板の入手方法と25゜C保存時の評価系の確立のための検討を行った。その結果、京大病院輸血部より破棄予定ヒト血小板の提供を受けることが可能になった。そのヒト血小板を用いることにより、保存時の血小板の活性評価法として、血小板由来サイトカインRANTES、P-Selectinの発現、細胞傷害の指標としてLDHの測定、および電子顕微鏡による評価を確立した。
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Research Products
(7 results)