2005 Fiscal Year Annual Research Report
超音波造影法による乳癌のセンチネル(見張り)リンパ節同定法の研究
Project/Area Number |
15300186
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Research Institution | JICHI MEDICAL SCHOOL |
Principal Investigator |
尾本 きよか 自治医科大学, 医学部, 講師 (90306118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 信行 自治医科大学, 医学部, 助教授 (10245053)
伊東 紘一 自治医科大学, 医学部, 教授 (60095007)
穂積 康夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (50260831)
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Keywords | 超音波造影法 / センチネル(見張り)リンパ節 / アルブミン / 乳癌 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
【臨床研究】 ・ヒト乳癌患者15人を対象に、25%アルブミン溶液を超音波造影剤として用いてセンチネルリンパ節が造影できないかを検討した。具体的には、手術直前の全身麻酔下で、25%アルブミン溶液5mlを腫瘍直上の皮下に注入し、その直後より超音波Bモード画像で腋窩部hair line付近を経時的に観察した。そして造影されたリンパ節が観察された場合を、CE-US guided SLNと判定し、更にlevel I、level IIのリンパ節と区別して摘出した。さらに病理学的に転移の有無を検索した。 ・結果は15人全症例において、1または2個のCE-US guide SLNが判定でき、病理学的検討では、15例のうち3例にリンパ節転移を認め、この3症例のCE-US guided SLNすべてに転移巣を認めた。このことから本法は、乳癌におけるセンチネルリンパ節同定が可能である可能性が示された。 ・この成果を、第13回乳癌学会(2005.6.10,倉敷)にて発表した。 【動物実験】 ・新たな超音波造影剤として、hydroxyethylated starch(Salinhes^【○!R】)を用いてセンチネルリンパ節が造影できるかを検討した。ブタを用いて5%パテントブルー溶液にSalinhes^【○!R】を混ぜた溶液(PB+H液)を使用して、超音波造影法と色素法とを併用する方法で実験し、その有効性を検証した。 ・その結果、超音波でリンパ節のエコーレベルが低下し周囲組織とコントラストがついて明瞭に観察され、またそれらのリンパ節は青染しており、センチネルリンパ節であることが証明された。さらにそれらは有意に腫大しており、同定しやすくなった要因と考えられた。この2者併用法によっても、センチネルリンパ節が同定できる可能性が示され、臨床応用を検討中である。 ・この成果について、日本超音波医学会雑誌に投稿した。
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Research Products
(2 results)