2004 Fiscal Year Annual Research Report
関節拘縮動物モデルの確立と拘縮に関わるマーカー遺伝子の探索と解析
Project/Area Number |
15300195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江藤 文夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00101121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 壽公 産業技術総合研究所, 年齢軸生命工学研究センター, 主任研究員 (60176641)
三宅 直之 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (20361488)
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Keywords | 拘縮 / 坐骨神経切断 / 関節軟骨 / 軟骨細胞 / サフラニン0染色 / 廃用症候群 |
Research Abstract |
本年(平成16年)度は、昨年度作製方法を確立した神経性拘縮モデルラットの膝関節を用いて、関節軟骨の組織学的検討を行った。 左坐骨神経切断処置を施した、9週齢の雄のWistar Ratを神経性拘縮モデルラットとした。右側は処置をせず、コントロールとした。ラットは処置後7〜300日、動物実験施設で飼育した。処置後7・14・30・60・90・300日後に左右膝関節を採取し、パラホルムアルデヒドで固定した。固定後の膝関節は10%EDTA(pH7.4)で脱灰した。作製した組織切片はサフラニン0染色を行った後、光学顕微鏡で関節軟骨に含まれる軟骨細胞数と、関節軟骨層の変化の2点について観察した。(1)軟骨細胞数の変化:顕微鏡画像上の大腿骨・脛骨側から、無作為に各々3箇所を選択した。各視野毎に、表層・中間層・深層・石灰化層の各層における軟骨細胞数を目視で数えた。処置後7〜90日で、平均軟骨細胞数は、処置群・対照群共に経時的な増減傾向を認めなかった。処置後300日では軟骨全層で処置群・対照群間の平均軟骨細胞数に有意差が認められた。(2)関節軟骨の厚さの変化:脛骨側は対照群処置後14〜90日、処置群30〜90日で厚みが増した。また、処置群と対照群間の比較では、脛骨側処置後7,14日を除き、処置群の軟骨層の方が厚くなっていた。この傾向は処置後300日で顕著だった。コントロールとの比較では時間経過に伴う厚さの変化は見られなかった。以上より、除神経処置後の軟骨細胞数や軟骨層の構造には殆ど変化が生じないことがわかった。
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Research Products
(6 results)