2005 Fiscal Year Annual Research Report
関節拘縮動物モデルの確立と拘縮に関わるマーカー遺伝子の探索と解析
Project/Area Number |
15300195
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
江藤 文夫 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (00101121)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 壽公 東京大学, 産業技術総合研究所・ナノテクノロジー研究部門, 主任研究員 (60176641)
上野 照剛 東京大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00037988)
関野 正樹 東京大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20401036)
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Keywords | MRI / MRS / 拡散強調 / 拡散テンソル / PGSE法 / creatine / 神経原性萎縮筋 / 神経原性関節拘縮 |
Research Abstract |
本年度は研究初年度(平成15年度)に確立した動物モデルラットを用いて,MRIを用いた神経原性関節拘縮モデルラットの支配筋の放射線学的評価に関する研究を行った. Magnetic resonance imaging(MRI)は非侵襲的に生体組織の3次元的な観察が可能なため,極めて有用な診断手法とされる.近年、生体内の水の拡散現象を観察できるMRIを用いた拡散の研究が盛んに行われている.動物モデルの関節と腓腹筋における筋萎縮の経時的変化をMRIを用いて観察し,得られたデータを用いて定量的評価方法の検討を行った. 本研究ではラットをモデル動物として,脱神経処置により筋の形態と特性が変化した神経原性萎縮筋とMRIを用いて(1)骨格筋の構造変化を検出することが可能か(2)拡散テンソルの各種指標の算出により、萎縮筋における拡散異方性の変化が示せるか(3)骨格筋の生化学的変化を検出することが可能かの3点について検討を行った.(1)では正常な筋と萎縮筋に対しMRIによる拡散の検出法(PGSE法)を施行し,測定された信号を拡散強調MRIの理論式に当てはめて筋線維径の推計を試みた.2群間で筋線維径に有意差は見られなかった.筋組織標本から求めた筋線維径の実測値と推計値を比較検討した結果,推計値は実測値と差があった.(2)ではPGSE法の信号測定結果を構成要素とする拡散テンソルを用いて,拡散異方性の指標(固有値λ_1,平均拡散能:MD, fractional anisotropy : FA)を求めた.固有値λ_1とMDは有意差を認めず,FAは処置後8週で2群間で有意差を認めた。(3)では^1H-MR spectroscopyで得られた水とcreatineのスペクトルを解析し,単位体積(voxel)当りのcreatine濃度を推計した.2群間では処置後8週で有意傾向を認め,処置群のcreatine濃度が減少していた.本研究結果はMRIが筋の形態と機能の定量的評価に応用可能であることを示した.
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Research Products
(7 results)