個人への対応に配慮した身体運動の力学的評価と身体運動支援機器の設計

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 15300199
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
• Research Institution: Nagoya University
• Principal Investigator: 大日方 五郎 名古屋大学, 先端技術共同研究センター, 教授 (50111315)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 中山 淳 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70270212) ; 長谷 和徳 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10357775) ; 川合 忠雄 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20177637) ; 宮脇 和人 秋田県工業技術センター, 主任研究員 ; 島田 洋一 秋田大学, 附属病院, 助教授 (90162685)
• Keywords: 身体運動支援 / 歩行動作再建 / 車椅子 / 筋骨格系 / パラメータ同定 / 運動シミュレーション / 身体運動評価技術 / 剛体リンクモデル

Research Abstract

1.個人の動作評価を行うための運動計測装置と計測車椅子の設計を行い、購入機器と組み合わせることによって歩行動作や立位の重心動揺、車椅子駆動の力学量測定実験が可能なシステムを構築した。小型の加速度計を主たる計測装置とするウェアラブルな計測システムを新たに提案し、日常生活での運動解析を可能とする計測システムの構築に着手した。
2.車椅子駆動の力学的評価法を確立し、個人の車椅子へのフィティングを行う際の車椅子と肩の位置の関係を定め、効率的な駆動フォームを計算する手法を提案した。
3.下肢のリンクモデルを同定するために、下肢の強制運動実験用のスタンドを製作した。従来の方法を改良したリンクパラメータ同定法を新たに提案し、製作した実験スタンドを用いて所得したデータを用いた同定結果よりその有効性を検証した。これにより、個人の下肢リンクモデルを従来の方法より簡単に得ることを可能とした。
4.歩行シミュレータを改良し、20cmまでの段差歩行を可能とした。改良は、筋骨格系のコントローラに相当するセントラルパターンジェネレータを段差に応じて変更する方法を確立したことに基づいている。下肢麻痺者の機能的電気刺激(FES)による歩行再建をめざした歩行の3次元シミュレーションを行い、特定の筋力低下にも対応できる電気刺激パターンが存在することを示した。
5.立位の動揺に関する実験を行い、自ら引き起こす揺らぎが、外乱に対するロバスト安定性を高める働きをしているという知見を得た。また、それを3次元の筋骨格系とセントラルパターンジェネレータを有するシミュレータにより確認した。

Research Products

• [Publications] Goro Obinata et al.: "Computer Simulation Study for FES Walking with a Three-Dimensional Entire-Body Neuro-Musculo-Skeletal Model"2003 International Functional Electrical Stimulation Society Conference. 135-136 (2003)
• [Publications] 大日方五郎 他2名: "筋骨格系の冗長自由度の運動学的モデリングと医療福祉応用"バイオメカニズム学会誌. 27巻・4号. 180-185 (2003)
• [Publications] 大日方五郎 他4名: "身体剛体リンクモデルのパラメータ同定"第24回バイオメカニズム学術講演会講演予稿集. 75-78 (2003)
• [Publications] 大日方 五郎 他4名: "ウェアラブルなセンサによる身体運動の計測"第24回バイオメカニズム学術講演会講演予稿集. 155-156 (2003)
• [Publications] 大日方 五郎 他3名: "外界情報を取り入れた3次元段差歩行シミュレーション"第3回福祉工学シンポジウム講演論文集. 93-96 (2003)