2004 Fiscal Year Annual Research Report
局所筋疲労回復を目指した磁気刺激装置の開発に関する研究
Project/Area Number |
15300205
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
湯ノ口 万友 鹿児島大学, 工学部, 教授 (10094187)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 鋼 鹿児島大学, 工学部, 教授 (40274831)
塗木 淳夫 鹿児島大学, 工学部, 助手 (50336319)
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Keywords | 局所筋疲労 / 最大発揮筋力 / パルス磁気刺激 / 積分筋電図 / 誘導電流 / 磁気刺激コイル |
Research Abstract |
パルス磁気刺激は、近年ではリハビリや治療に盛んに用いられるようになってきた。しかし、磁気刺激の強度や刺激方法については明確な手法が確立されていない。また、磁気刺激の部位についても局在性のみが問題とされているだけで、刺激効果のメカニズムについてはいまだ解明されていないのが現状である。本研究では、磁気刺激を治療に使うことを目的に、むしろ局在刺激よりも生体内に流れる誘導電流の分布に着目して新しい磁気刺激装置の開発を目指している。そのため、筋疲労回復に対する磁気刺激の効果の定量的解明を試みている。平成16年度は、平成15年度の実績を基に、被験者の発揮筋力の強さを変化させたときの磁気刺激の効果を定量的に調べた。その結果、等尺性随意収縮運動直後の前腕筋腹上に磁束密度の強度を0.1T(テスラ)の磁気刺激を印加したとき発揮筋力の低下を顕著に抑制させることを確認した。これらの効果は、前腕だけではなく肘間接や大腿筋でも確認することができた。これまでは、筋疲労に対する刺激効果は、マッサージ効果を与えることが必要と解釈されてきたが、本実験の結果は筋疲労回復に対して必ずしも筋が動くほどの刺激を与える必要はなく、微弱な渦電流でも疲労回復に役立つことを示している。この結果は、低出力の磁気刺激装置でも疲労回復効果が期待できることを意味している。その際に従来の刺激コイルでは、生体の湾曲部に密着させることができないため十分な効果を発揮できないことがわかった。磁気刺激の出力を下げるためにも、生体の湾曲部に対してコイルを密着させることが必要であることが示唆された。新しい刺激コイル作成と刺激方法の確立を検討している。16年度の目標は、ほぼ達成できた。来年度は、試作した磁気刺激装置を用いて筋疲労回復効果を明らかにする。
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