2003 Fiscal Year Annual Research Report
リーチング動作における運動学習の基礎理論の検討〜汎化フィードバック情報・イメージトレーニング〜
Project/Area Number |
15300207
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
道免 和久 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (50207685)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 章太郎 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50368510)
玉置 由子 兵庫医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 運動学習 / 汎化 / 見まね学習 / 片麻痺 |
Research Abstract |
本研究開始以前から、研究代表者が保有していた実験装置を用いて、リーチング学習に関する汎化の実験を行った。被験者は健常者で行った。基準点から目標点まで8方向に2点間のリーチング動作を行い、1方向への練習試行を行った群と行わなかった群で、方向毎に試行の成功回数を比較した。試行は0.75秒以下で2点をとおった場合、成功とした。結果は、統計学的には有意差は得られなかったものの、練習課題と同じ方向と、それに隣接した方向および正反対の方向では成功回数が多くなる傾向が見られた。このことから、リーチングでは、学習成果の汎化は練習課題と類似した課題ではある程度は起こるものの、完全に一般化されたものにはならないと考えられた。 また、同じ装置を用いて、リーチング学習を行う際に課題を実行中の状況を収めた映像を提示し、学習が促進されるか否かを検討した。被験者は健常者と脳卒中後の片麻痺患者非麻痺側で実験を行った。課題は経由点をとおる3点間のリーチング課題で、課題実行の時間を0.65〜0.75秒に規定し、3点をとおりかつ規定時間内で課題を実行できたときのみを成功とし、健常者と片麻痺患者のそれぞれで、課題成功確率を映像提示された群と、されなかった群で比較した。また、健常者と片麻庫患者での比較も行った。その結果、健常者では映像提示された群で成功確率が有意に高かったが、片麻庫患者非麻痩側ではそのような効果は見られなかった。このことから、片麻痩患者では運動認知が障害されている可能性もあると考えられた。この結果は第40回日本リハビリテーション医学会と第33回日本臨床神経生理学会にて発表した。今後この点に関しては認知課題を用いた実験を行う予定である。 さらに、リーチング学習中のフィードバックを変化させ、どの条件でよりフィードバックがかかりやすいかを実験的に明らかにすべく、装置の整備を行いつつある。
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