2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300210
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 義春 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (60251427)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 宏昭 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90280875)
久保木 冨房 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (40111512)
|
Keywords | 身体活動パターン / 精神疾患・心身症 / 時系列解析 |
Research Abstract |
1.身体活動パターン解析方法の開発 日中の身体活動一休息パターンについて、統計物理的手法の一つであるWTMM法をもとにその解析方法に関して検討した。WTMM法ではデータの特異点を抽出し、時系列の増分相関を推定する。つまり局所的に"(1)活動-休息-活動"あるいは"(2)休息-活動-休息"といった活動パターンの変化が見られる箇所を拾い上げて評価していく。精神疾患や心身症患者は活動の開始や終了のパターンに異常が見られることが考えられるため(DSM-IV)、WTMM法は有効な解析方法であると考えられた。本研究ではさらに上記(1)、(2)のパターンを区別して分析することによって患者の休息パターン、活動パターンを分けて評価した。この結果、慢性疲労症候群(CFS)の患者は休息・活動パターンでの増分相関がほぼ同程度であることに対して、健康な被験者では両者に乖離がみられた。健康なヒトは、活動のバーストが急峻で、それに対して活動の中断はゆっくりとしている。一方CFS患者は活動のバーストがゆっくりとしている、活動の中断が早い、あるいは両方の要因によって両者が同等の増分相関を持つことが分かった。同様な手法を用いて季節性気分障害患者の光治療による変化をみたところ、治療によりうつ度が有意に改善した群では休息パターンにおいて変化がみられた。 2.身体活動パターンと気分や疲労感、身体症状および認知機能の関係 CFS患者6名と健康な被験者4名において、身体活動パターンと気分・疲労度・身体症状、さらに認知機能テストの反応時間などを調べた結果、疲労感、エネルギッシュといった項目が上記(2)での増分相関と相関関係が見られるという結果が得られた。 3.子どもの身体活動および気分・疲労度の測定、解析 現在のECOLOGにプログラムされている認知機能テストは子どもにとっては難しく、改良が必要であることが判明した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Ohashi, K., G.Bleijenberg, S.Van der Warf, J.Prins, L.A.N.Amaral, B.H.Natelson, Y.Yamamoto: "Decreased fractal correlation in diural physical activity in chronic fatigue syndrome."Methods of Information in Medicine. 43. 26-29 (2004)
-
[Publications] Ohashi, K., L.A.N.Amaral, B.H.Natelson, Y.Yamamoto: "Asymmetrical singularities in real-world signals."Physical Review E. 68. 065204(R)1-065204(R)4 (2003)
-
[Publications] 大橋恭子, 山本義春: "身体活動長期時系列の解析と精神障害・心身症"(社)計測自動制御学会生体・生理工学シンポジウム論文集. 18. 265-268 (2003)
-
[Publications] Yoshiuchi K, Yamamoto Y, Niwamoto H, Watsuji T, Kumano H, Kuboki T: "Behavioral power-law exponents in the usage of electric appliances correlate mood states in the elderly."International Journal of Sport and Health Sciences. 1(1). 41-47 (2003)