2004 Fiscal Year Annual Research Report
児童・生徒にとって適切な短距離疾走距離についての研究
Project/Area Number |
15300212
|
Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
伊藤 宏 静岡大学, 教育学部, 教授 (20022296)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡端 隆 静岡大学, 教育学部, 助教授 (00242751)
|
Keywords | 短距離走 / 疾走距離 / ボルグの主観的運動強度 / SD法 / 主因子分析 / 共分散構造分析 |
Research Abstract |
1年目では、小学5年生、中学2年生を対象に、40m、60m、80m、100mを走ってもらい、疾走中の最高速度とその出現区間、その持続程度、運動強度としてボルクの主観的運動強度と心拍数を測定し分析を行った。その結果、小学5年生では、40m走から60m走が、中学2年生では80mから100m走が望ましいと判断された。 2年目の研究として、小学校5年生、中学校2年生男女児童生徒は体育授業で学習する短距離疾走について、疾走する距離が違うとそれぞれの疾走距離に対して異なる認識や意識をもつのではないかとの仮説を立てて、上記の四種類の疾走距離それぞれに対して疾走直後の印象、認識、意識について、SD法と因子分析(主因子法)を適用して、それぞれの疾走距離に対する児童生徒の認識を分類抽出した。児童生徒の疾走距離に対する認識や印象を測定するには、それら各種疾走距離に対する意識や印象を質問紙法で求め、共通する内容をグループ化し、さらに精選した結果、5領域のカテゴリーになり、それぞれのカテゴリーに4つの対語の質問項目を配し、計20項目の質問紙を作成した。その結果、それぞれの疾走距離に対して共通する因子と異なる因子があることが判った。共通する因子とは、どの距離にも「負担感」を持っていたことである。やはり、短距離走はどの児童生徒にとっても、心理的な負担になっていると思われた。さらに、40mと60mには、充足感や意欲・達成感がみられたが、80mと100mには緊張感、競争意識などが見られた。また、それらに因子には、階層がみられ、負担感を中心に充足感や達成感にはマイナスの、緊張感にはプラスの位置関係を示した。 これらの事から、適切な疾走距離を用いることで、身体的、心理的なきつさを最小にし、のびのびと意欲的に走れることが推察された。ここまでの研究成果をまとめ、2004年8月6日-11日アテネのアリストレ大学で開催されたプレオリンピックスポーツ科学学会の心理学領域で発表した。 また、同時に疾走中の動作分析も合わせて分析する予定だったが、測定実施中に1/100秒のビデオタイマーとビデをカメラの同期が不調になったが、機種を変更し、現在分析中である。
|
Research Products
(4 results)