Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 明日香 北海道大学, 医学部・保健学科, 助手 (90281831)
井瀧 千恵子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (00285008)
侘美 靖 北海道文教大学, 人間科学部, 助教授 (90279472)
山本 徹 北海道大学, 医学部・保健学科, 教授 (80261361)
河口 明人 北海道大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (70214608)
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Research Abstract |
平成15年度の青年を対象にした研究結果をもとに,中高齢者に対象を拡げ,快適自己ペース運動として熟練したインストラクターによって指導された「水中歩行と水中運動」の効果を,3つの実験から検討した。(1)週1回,12週間継続する水中歩行教室に参加する中高年女性と参加しない同年代女性を対象として、水中歩行継続の効果を検討した。水温29℃のプールで実施された1回50分間の水中歩行教室の運動は,運動中の平均心拍予備率からみて低-中等度強度であった。感情測定質問紙MCL-S.1によって,教室1週目から快感情得点とリラックス感得点が直前に比べ運動直後に上昇し,12週目も同様であった。教室1週目と12週目に健脚度関連体力を測定した結果,最大1歩幅,片足スクワット,BOSUバランステスト,10m全力歩行が改善した。対照群で変化は認められなかった。(2)週2回,12週間継続する「水中運動教室」に参加した高齢女性の運動群と,参加しない対照群で比較検討を行った。水温34℃のプールで行われた1回60分間の水中運動の,教室開始時と12週後の終了時に健脚度関連体力,メンタルヘルス,QOLなどを測定した。運動群で有意な体力とメンタルヘルス,QOL値の改善が見られたが,対照群では向上が見られなかった。このように,快適自己ペース水中運動の12週間継続によって,感情・QOL・体力の向上が認められたのに対し,対照群では見られなかった。(3)中高年女性で,同じプログラムの水中運動を50分間行った時の感情・体温・NK細胞活性の変化を,水温29℃と34℃の水温環境で比較した。感情の改善,直腸温の上昇,NK細胞活性の上昇は,34℃水温プールでの水中運動が水温29℃プールに比べて有意に大きかった。このように水中運動を行う水温によって,直腸温が異なり,感情や免疫能にも異なる影響のでることが明らかになった。
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