2006 Fiscal Year Annual Research Report
水泳の推進力におけるダイナミックリフトの役割とその活用
Project/Area Number |
15300216
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松内 一雄 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (70111367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野村 武男 筑波大学, 大学院人間総合科学研究科, 教授 (80091817)
榊原 潤 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (10292533)
長谷川 裕晃 秋田大学, 工学資源学部, 講師 (90344770)
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Keywords | 水泳 / 推進力 / 流れの可視化 / 非定常流れ / 渦 |
Research Abstract |
近年、昆虫や鳥の飛翔、魚の推進力に渦の生成に伴う非定常力が重要な役割を果たしていることが明らかになっている。非定常力は、定常力に比べかなり大きな力となりうることが明確にされている。泳者の動きは明らかに非定常であり、このことから水泳においても、大きな推進力に導く非定常力を利用して効率的に推進しているに違いないとの観点から推進力発生のメカニズムの解明を行う。泳者の手による推進力の発生の解明に向けて、1)PIVによる実際の泳者周りの流れ場解析、2)風洞実験による模型を用いた流れ場と働く力との関係を調べる実験的研究、3)非定常流れ場が自由渦と物体との相互作用で成り立っているとしての物体に働く力の理論解析、に分けて研究を行った。 1)回流水槽を用い、実際の泳者が泳いでいる状況で、水平面にレーザーを照射し、この面での非定常速度場をPIVにより計測した。手の運動に伴った刻々変化する非定常な流れ場に渦が生成されていく経過が観測された。この渦の発生と手に働く力とは、運動量の生成に関連して、密接な相関があることが明らかになった。初心者の泳ぎとの比較からもこの結果を確かめることができた。2)再現性のある実験として、泳者の手を模擬した模型を用い、モデル化した運動を行わせる実験により、模型に働く力と流れ場の関係を明らかにした。ここで用いたのは、主として、時間分解能のよい熱線風速計であり、流れ場全体の刻々の非定常流れ場を知るために、1)と同様、PIVを用いて流れ場、渦度場を決定した。ここでも同様渦度の生成と物体に働く力には相関が認められた。3)流れ場の変化と物体に働く力の関係を単純なモデルを用い、渦の移動が働く力に及ぼす影響を理論的に調べた。この結果は、特に渦の移動が揚力の増加に密接に関係していることが示された。
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Research Products
(6 results)