2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパワー持続能力を高めるフィールド用間欠運動トレーニング負荷設定に関する研究
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15300220
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
平川 和文 神戸大学, 発達科学部, 教授 (00093526)
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Keywords | 間欠運動 / トレーニング / ハイパワー持続能力 / ハンドボール |
Research Abstract |
今年度は、ハイパワー持続能力に及ぼす間欠運動トレーニングの効果を、筋力トレーニングおよび持久性トレーニングとの比較・検討より明らかにするとともに、ハンドボール競技の間欠運動としての特性を分析し、間欠的運動パターンを作成しトレーニング負荷としての妥当性を検討した。 ハンドボール競技(全日本選手権の試合を分析)の運動強度の時間頻度は、無酸素性運動が13%、有酸素性運動が22%、静止および歩行が64%であった。また、無酸素的動作は1秒程度と短く、高強度な運動がなされていることが分かった。その中で、シュート、ジャンプ、身体接触のような無酸素的動作が1分間に1回の頻度で行われていた。これらの時間・頻度特性をポジション別に分析し、ハンドボール競技の間欠的運動パターンを作成した。 また、男子大学生ラクロス選手22名を被験者とし、彼らを間欠運動トレーニング群、筋力トレーニング群、持久的トレーニング群およびコントロール群の4群に分け、3日/週の頻度で15週間のトレーニングを実施させ、間欠運動(10秒間の全力ペダリングを20秒間の休息を挟んで10回反復)時のハイパワー持続能力への影響を検討した。その結果、間欠運動トレーニング群は間欠運動全般に渡ってハイパワー持続能力に最も効果的であった。一方、筋力トレーニング群は間欠運動序盤に有意な効果が見られたが、中・終盤には効果は認められなかった。持久的トレーニング群は序盤には効果は見られなかったが、中・終盤に有意な効果が認められた。また、トレーニングによる最大酸素摂取量の変化とハイパワーの変化には有意な相関は認められなかった。これらのことから、ハイパワー持続能力の向上には間欠的運動パターンが最も効果的であること、また間欠運動におけるハイパワー持続能力の向上は、単に最大酸素摂取量で評価される有酸素性能力だけでなく、他の要因も影響していることが推察された。
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