2003 Fiscal Year Annual Research Report
体育科教育におけるカリキュラムマネジメントに関する研究-授業実践におけるカリキュラムの自己創出性を観点として-
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15300228
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Himeji Dokkyo University |
Principal Investigator |
森 敏生 姫路獨協大学, 法学部, 助教授 (30200372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 新治郎 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (70197432)
丸山 真司 愛知県立大学, 文学部・児童教育学科, 教授 (10157414)
海野 勇三 山口大学, 教育学部, 助教授 (30151955)
中西 匠 武庫川女子大学, 短期大学部・健康・スポーツ学科, 助教授 (10259608)
中瀬古 哲 県立広島女子大学, 生活科学部, 教授 (00198110)
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Keywords | カリキュラムマネジメント / 自己創出性・自律性・自主編成 / 関係性と協働性 / 開発・編成・調整 / 省察と創造 / カリキュラムの階層 / 多重フィードバック |
Research Abstract |
今年度の研究課題は、自主的で個性的なカリキュラムの開発・創造を可能にするカリキュラムマネジメント(以下CMと記す)を理論的・原理的にモデル化し、カリキュラムの自主編成の事例分析に着手することである。その結果は次のとおりである。 1.理論的基礎:カリキュラムを開発・創造する組織的な実践プロセスについての基礎理論・方法論的基礎は、「意味を創出する」生命関係論、社会的実践領域では知識創造組織論、拡張する学習論など活動理論に求められた。 2.概念検討:(1)教育経営学におけるCMの三局面(planning, implementation, evaluation)と二基軸(「目標・内容系列」の「関係性」と「条件整備系列」の「協働性」)は構造論的フレームとして妥当である。(2)教育実践論のカリキュラム概念は、明示的な計画(形成知)と可変的で実在的な経験(暗黙知)のダイナミックで「生きた」プロセスを実践の相にそって描き出す。これは構造的フレームを補完するものである。(3)自律的なシステムのマネジメント概念は、三つの基本的機能(設計ないし形成、制御、開発)と三つの次元(規範的、戦略的、業務的)をどのレベルにも組み込んでいる。これは自主編成のマネジメントにおける機能的組織の要件を示唆する。 3.モデル構成:(1)CMの機能は<開発・編成・調整>とそれ進化させる<省察と創造>の二重の機能をもち、目標・内容・方法という実践の全局面で働く。(2)カリキュラムの階層(スケール)にそってCMの機能を発揮する組織的な協働が求められる。(3)自己創出的(自律的)なCMは、実践においてCM機能を発揮する多重フィードバックとして描かれる。 4.事例分析:(1)教育史的な観点から「浦和の体育研究」についてカリキュラムの捉え方とカリキュラム開発のマネジメントを考察視点に検討した。(2)現在自主的なカリキュラム開発を推進している学校・教師への聞き取り調査を進め、事例資料を収集している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 森敏生, 丸山真司, 海野勇三, 田中新治郎, 中瀬古哲, 中西匠: "体育科教育におけるカリキュラムマネジメント概念の検討"スポーツ教育学研究. 第23回大会号. 74 (2003)
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[Publications] 田中新治郎, 森敏生, 丸山真司, 海野勇三, 中瀬古哲, 中西匠: "カリキュラムマネジメント研究への教育史的接近"スポーツ教育学研究. 第23回大会号. 76 (2003)
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[Publications] 森 敏生: "カリキュラムづくりを核に学校を自律的に変える"学校教育. 3月号. 12-17 (2004)