Research Abstract |
本研究の具体的目標は以下の通りである。 (1)小学校高学年から中学生を対象として,「総合的な学習の時間」で実施可能なライフスキル教育の内容と方法を開発する。 (2)ライフスキルを喫煙,飲酒,薬物乱用問題に適用することを主なねらいとする,体育科(保健体育科)で実施可能な喫煙,飲酒,薬物乱用防止教育の内容と方法を開発する。 (3)開発したプログラムを小,中学校において実施し,セルフエスティーム,ストレス対処スキル,社会的スキル,喫煙,飲酒,薬物乱用に関する知識,態度,行動に及ぼす短期的効果について評価する。 上記の目標を達成するために本年度は以下のような研究活動を行った。 (1)新潟県岩船郡朝日村の中学校1年生を対象として,セルフエスティーム,意志決定,目標設定,ストレス対処,コミュニケーションスキルの形成を中心的内容とするライフスキル教育を実施し,その形成的評価を行った。プログラムは,指導教師及び生徒の双方から高い評価を受けた。 (2)プログラムの有効性の短期的評価を行うために,プログラム導入校である新潟県岩船郡朝日村の朝日中学校1年生と,対照校である同郡荒川町荒川中学校1年生を対象とした質問紙調査を実施した。その結果については現在分析中である。 (3)米国で開発されたライフスキル形成を基礎とする喫煙,飲酒,薬物乱用防止教育プログラム(Life Skills Training)の中学校1年生版を翻訳した。 (4)研究者と教師から構成されるプロジェクト会議を開催し,小学校5,6年生及び中学校1,2年生を対象とした,体育科(保健体育科)そして「総合的な学習の時間」において実施可能な包括的な喫煙,飲酒,薬物乱用防止教育プログラムの内容と方法の試案を作成した。
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