Research Abstract |
新潟県岩船郡の中学校1年生を対象として平成17年3月に実施した第1回目の事後調査の結果について分析し,1年時に実施したプログラムの短期的効果を検討した。その主な結果は以下の通りである。 1.プログラム実施校(以下,教育校)の中学校1年生女子のセルフエスティーム尺度の得点は,全ての尺度について,非実施校(以下,対照校)の女子に比べて有意に高かった。また,家族に関するセルフエスティームについては,教育校男子の得点は,対照校男子に比べて有意に高かった。 2.教育校女子の「向社会的スキル」の得点は,対照校女子に比べて有意に高く,「引っ込み思案行動」の得点は有意に低かった。また,「攻撃行動」については,教育校男子の得点は,対照校男子に比べて有意に低かった。 3.教育校女子におけるストレス対処行動の「認知的回避」の得点は,対照校女子に比べて有意に低かった。 4.教育校女子は,対照校女子に比べて,20歳になるまでたばこを吸わないという意思,友だちからたばこをすすめられても断れるという自信をもつ者の割合が有意に高かった。また教育校女子は,薬物は絶対に使うべきではないし,許されることではないと考える者の割合も有意に高かった。 以上のことから,中学校1年生を対象に実施したライフスキル教育は,とりわけ女子に対して有効であり,セルフエスティーム,社会的スキル,ストレス対処スキルを向上させ,喫煙や薬物乱用に対する態度に対する好ましい影響を及ぼしたと考えられた。 第2に,中学校2年生用のライフスキル教育プログラムを開発し,実践した。形成的評価の結果によれば,プログラムは教師,生徒の双方から高い評価を得た。 第3に,平成18年度に実施予定の中学校3年生用のライフスキル教育プログラムの概要に関する検討を行った.
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