Research Abstract |
本研究では,平成7年度から実施してきた研究成果をベースとして,自治体と連携をとりながら地域住民の健康づくり事業の展開を図り,介入研究を実施する。人口の高齢化が急速に進展している状況では,次々と発生する様々な問題に対処していくだけではもはや解決することは難しくなってきており,大きな発想の転換が必要となっている。そこで,不健康状態の高齢者の健康問題を考えるだけではなく,健康づくり事業の積極的な展開により,現在日常生活で自立しておりまだ十分な活力を残している健康高齢者の健康の維持・増進を図ることによって,将来の老人医療費の高騰を抑制することが可能であるか否かについて検討することを目的としている。 今年度は,研究対象となる集団を設定し,参加者の健康状況や日常生活の状況を把握するとともに,体力測定を実施し,介入前の健康・体力レベルをチェックした。体力測定は,阿見町が実施している「ふれあい地区館」高齢者部会と連携し,参加者を募った。参加者には,研究計画に対する十分な説明を行い,参加同意書を作成した。その結果,男性20名,女性33名,計53名が参加した。参加者の平均年齢は,男性77.20±4.47歳,女性75.61±2.93歳であった。参加者に対し,問診表による健康状態の把握,血圧・脈拍数の測定,一般健康調査,QOLに関する調査,身長,体重,バランス能力(開眼片足立ち,閉眼片足立ち),筋力(握力,脚伸展力),柔軟性(長座体前屈,ファンクショナルリーチ),歩行速度(普通歩行速度,最大歩行速度,歩幅,歩数など)を測定した。計画では,今年度に健康づくり活動の介入を行うことになっていたが,計画が遅れており,これから健康づくり活動を実施した後,再度健康・体力レベルのチェックを行う予定である。
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