Research Abstract |
近年,コンピュータやテレビを中心にした座位中心の生活,またエスカレータ,エレベータ,自動車などの普及によって,私たちは身体を動かさない傾向がますます強まっている.一方で,飽食の時代と言われるように,食生活の欧米化や食習慣の乱れが進んでいる.そのため,糖尿病を中心とする生活習慣病罹患者の数は増加の一途をたどり,この増加傾向は現在だけにとどまらない.従来,運動処方の名のもとに,運動やスポーツの推奨が行われてきたものの,運動を実施する人口は増加していないのが現状である.本研究は,これらの現状に鑑み,運動と言わないまでも,日常生活における人々の身体活動量をいかに増加させるかという問題を,1)行動変容理論・モデルの活用,と2)多様な介入デリバリーチャンネルの使用という2つの観点で多様なプログラムを開発し,評価を行うことを目的としている.実際には,自治体健康保健センターと連携を保ちながら,特に中高年者のライフスタイル改善を目的とした健康行動カウンセリング・プログラムをソフトおよびハード面から支援できる地域型システムの開発を行うことである. 平成15年度には,中等度の強度(4メッツ以上に相当)の身体活動を行った数とその時間を提示させる簡易機器を開発し,また主観的身体活動量の測定尺度の開発を試みた.平成16年では,これらの機器,および釈迦ども一部使用しながら,自助冊子,郵便による通信教育,およびインターネットプログラムを開発し,その評価を行った.プログラムの内容は,対象者に同一の介入を行うことを避け,トランスセオレティカル・モデルをもとに,初期ステージ者と後期ステージ者に分け,それぞれに異なる情報を送るように勤めた.その結果,ステージ・マッチドが行われていない統制群と比べて,ステージ・マッチド群の方が大きな身体活動量改善を示した.
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