Research Abstract |
本研究は,3年間の間,地域住民,特に中高年者のライフスタイル改善を目的とした健康行動カウンセリング・プログラムをソフトおよびハード面から支援できるシステムの開発を試みてきた.3年目となる平成17年度では,地域における職域の健康づくりにも注目し,健康行動変容プログラムの開発とそれを配信するチャンネルとの組み合わせに関して検討を行った.この研究では,包括的な健康行動変容プログラムを開発の可能性を探るために,1)多要素を組み合わせたシステム化(健康診断,オリエンテーション,職揚組織,IT,e-mail相談,ニューズレターなど)を意識したもの,2)多様なプログラム配信媒体(IT,郵送,社内報,ニューズレター,e-mailなど),3)行動変容理論・モデルの上・中・下流アプローチ,および4)多様で実状に応じた評価方法(個人向け:健康指標(生理生化学的データ),医療費;企業(健保)向け:医療費,欠勤率,勤務状況など)を検討課題としており,様々な組み合わせを意識して研究を行った.職域を中心にした健康教育プログラムの1つでは,電気機器メーカに勤務する中高年者を対象に,職域にすでに存在する既存の情報伝達ツールを使用し,健康教育の実践が可能か否かを確認した.この研究では,プログラム自身は簡単な知識重点型の内容であるが,従業員が昼休みに自身のコンピュータを操作し,動画配信の教育プログラムを視聴できるように配慮した.もう1つの研究では,製造業メーカーの健康保健組合とタイアップしながら,紙媒体の情報ツールとして週ごとの健康教育ニューズレターを用意し,数回に分けて行動変容の方法を教授しながら,従業員の行動から彼らを観察し,またプログラム内容の評価を行った.地域介入を職域にも広げていった本研究は,そのプログラム開発だけでなく配信などの現実的実践方法の検討を行い,包括的観点から議論を行えたと思う.
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