2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300242
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
田中 辰明 お茶の水女子大学, 生活科学部, 教授 (90251694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高鳥 浩介 国立医薬品食品衛生研究所, 衛生微生物部, 部長 (50270624)
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Keywords | 断熱 / 外断熱 / カビ / シミュレーション / WUFI / 気象データ / 非定常解析 |
Research Abstract |
日本におけるRC造趣建築の断熱工法には大きく分けて、内断熱工法と外断熱工法の2つがある。本研究室における過去の研究では結露が生じにくい、省エネルギー性が高いなどの点から、外断熱工法の優位性を確認している。しかし、一方で外断熱工法は内断熱工法よりコストがよりかかる為、施工数は少ないのが現状である。 本研究では、内断熱工法と外断熱工法のモデルにおいて、日本各地の気象データを用いた長期間の非定常解析を行い、壁内の温湿度性状の比較を行った。そして、カビの発生にくい断熱工法を検討することを目的とした。今まで建物壁体の温湿度性状の評価は結露するか否かで判断されてきた。しかし、カビは養分や酸素などの条件がそろえば温度0℃、相対湿度(RH ; Relative Humidity)70%以上で生息可能だといわれている。よって結露発生すなわち相対湿度100%での評価では不十分である。 今回、壁体内の相対湿度を非定常計算できるシミュレーションソフトとして、ドイツFraunhofer建築物理研究所(Fraunhofer-Institut fur Bauphysik)製の汎用プログラム"WUFI : Warme und Feuchtetransports in Bautilen"(建物における温湿度の輸送解析プログラム)を用いて一次元非定常解析を行った。この結果、内断熱は壁体内に水分が蓄積すること、外断熱は蓄積が少ないことが判明した。特に北の地域では外断熱が有利である。その結果をドイツフラウンホーファー建築物理研究所の建築物研究発表会で報告した。
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