2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15300245
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
久保 博子 奈良女子大学, 生活環境学部, 助教授 (90186437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯田 則生 奈良女子大学, 人間文化研究科, 教授 (60016871)
柴崎 学 奈良女子大学, 生活環境学部, 助手 (00314526)
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Keywords | 温熱的快適性 / 高齢者 / 皮膚温 / 温冷感 / 快適感 / 日常生活 / 冷暖房使用率 / 着衣量 |
Research Abstract |
寒さや暑さに強い者は健康への被害を考えないような環境でも、温熱的に弱者である寒さや暑さに弱い者や高齢者など身体機能の衰えた者では、体調を崩すなど影響を受けるため、より配慮した環境を提供することが望ましい。このため高齢者や冷え症者を対象として人工気候室において、温熱的快適性や、温熱環境に対する生理的反応・心理的反応に関する詳細な検討を行う必要がある。本年度は一昨年のアンケート、昨年度の高齢者を対象とした温熱的快適性に関する人工気候室実験をふまえ、同一被験者による冬期および夏期の高齢者の人工気候室実験および日常性生活における実測調査を行った。また、青年においても高齢者と同様の実験室実験をおこない、個人差がどの程度あるか検討した。 1)高齢者30名を対象とした夏期および冬期における選択気温実験と設定気温実験を行い、皮膚温や心拍数等の生理反応や温冷感、快適感等の心理反応を測定し、産熱量・放熱量から人体の熱収支を測定した。その結果、高齢者では躯幹部の皮膚温は低め、末梢部の皮膚温は高めであった。低温選択群の被験者の中には身体の熱生産量以上に室温を低下させて放熱量が多くなり、温熱的中立が保てなかったり、低温環境において舌下温が低下したものもいた。 2)日常生活における実測調査においては、実験で得られた被験者の温熱的個人差よりも、住宅性能などにより温熱環境に差が見られたが、暖かい環境を好む被験者は着衣が多いなど、着衣量や冷暖房の使用率などの住まい方で補っている状況が冬期も夏期も認められた。これにより、人工気候室での実験で得られた個人差と同様の個人差が日常生活でも認められた。 3)以上の結果をふまえ、個人差を考慮した夏期および冬期の高齢者の快適環境を選択気温群別に提案した。
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Research Products
(7 results)